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2006年9月24日 藤原岳(鈴鹿)

 

藤原岳(鈴鹿) 2006年9月24日 No.381 隊長、うさぎ
大貝戸登山口(9:40)〜4合目と7合目で小休止〜避難小屋(11:50)〜散策〜(12:45)天狗岩(13:20)〜散策〜避難小屋(14:05)〜大貝戸登山口(15:30)

彼岸花の咲く頃になると、ちょっと歩いてみたくなるのが藤原岳だ。春の福寿草の時期には、登山者であふれかえるが藤原岳だが、この時期は登山者もそれほど多くはないので、静かな山歩きが約束される。この時期に見られる花は、カワチブシ、テンニンソウ、ミツバフウロ、ゴマナ、アケボノソウなどで、春の福寿草のようや華やかさはないが、花を楽しみながらのんびりと歩くのもいいだろう。

行き先が鈴鹿の山となると、どうしても出足が遅くなってしまう。ということで自宅を8時過ぎに出て、食料を買い込み、彼岸花や鈴鹿の山並みを見ながら、のんびりと車を走らせて登山口の大貝戸に到着したのは9時半過ぎだった。登山口には立派な休憩所が建てられ、駐車場も整備されている。アルプスの登山口と比べてもまったく見劣りしない。駐車場はほぼ満車だったが、少しスペースが空いていたので、そこを利用させてもらう。駐車されている車のナンバーを見ると他府県ナンバーが多い。そうこうしているうちにもう一大車が入ってきた。ナンバーを見るとなんと、富山ナンバーだ。福寿草の時期なら納得できるが、「花の百名山」のピークハンターなのだろうか。


藤原岳登山休憩所

福寿草の時期には何度となく登っている山だが、最近は木和田から登ることが多くなってきたので、正面の表登山口から登るのは久しぶりだ。準備を済ませ登山口に立つ。「聖宝寺道、落石のために通行禁止」と書かれたプレートがぶら下がっている。花の宝庫であった坂本谷も土石流にやられ、聖宝寺道も通行禁止となると、一般登山者は、表登山道のピストンを強いられることになる。花の少ないこの時期はいいが、花の時期にはせめても、聖宝寺道は使いたいところだ。


レイジンソウ

登山にはいい気候になってきたので、随分と歩きやすくなってきた。30分も歩くと汗が出て来て体の芯が暑くなってくるが、汗をかいた皮膚からはさかんに気化熱を奪われるので冷たく感じられる。この違和感で季節の移り変わりがわかるようだ。2合目手前で子ども連れの4人家族に追いついた。子どもたちが楽しそうに登っている。とりわけ昆虫などの動くものには興味津々と近づいていく。大きなニシキヘビには大はしゃぎだ。「若さ」にはかなわない。話を聞くと鈴鹿の山は始めてのようだ。「未知なる自然に家族で挑む」といった雰囲気が漂っている。うさぎが、キノコの話やら、蜘蛛の話をしだしたが、説明無用だ。


藤原岳避難小屋

4合目で小休止をとり、8合目を目指す。樹林を駆け抜ける風は実に清涼で、汗ばんだ体を心地よく冷やしてくれる。歩きやすさも手伝って快調な歩きで8合目に達する。急ぐこともない山歩き、ここらでもう一休みして、体が冷えぬうちに避難小屋を目指す。8合目で植林帯を抜けるので、ここから先は少しだけ秋の花が楽しめそうだ。数は少ないがまずは、レイジンソウが出迎えてくれる。もう少し花の開いたのを探したかったが、後にも先にもこの日で会えたのは最初のひと株だけだった。カワチブシはすでに花が終わりかけているので、山頂の望みをつなぐ。8合目からは露岩が多くなり歩きにくくなり、登高のペースも落ちがちになるが、ここを我慢して一気に避難小屋まで上がる。

山頂は概ね晴の天気だ。足早に雲が流れ、光の加減で忙しく景観が変化するのを見ているのも面白い。山上はテンニンソウで埋め尽くされ、風に波打ち太陽の光に輝いている。地味な花だが、青空と石灰岩が織りなす造形は見ていても飽きることがない。時間を忘れて歩き回る。所々にゴマナの群落があり変化を添えている。アケボノソウも咲いているが、今年はどうも花付きが良くない。あちらこちらに道草をしながら天狗岩まで行くことにする。普通に歩いて30分の距離だが、1時間もかかってしまった。


ガマズミ


テンニンソウ


アケボノソウ


ゴマナ


テンニンソウ


カワチブシ


天狗岩にて

ちょうど昼を過ぎた時刻になったので、ここで昼食休憩をする。何組かの登山者が天狗岩まで足を伸ばしていたようだ。ここからは鈴鹿のおもだった山を見ることができるが、午後からは逆光になるので、シルエットから判断することになる。展望丘あたりも緑が褪せて、木々が少しずつ色づき始めている。今のところ大きな台風が来ていないので、紅葉が期待できそうだ。


カワチブシと展望丘(右)

カワチブシやゴマナの群生をたどりながら、14時過ぎに避難小屋までもどる。まだ少し時間にゆとりがあり、展望丘を往復する時間はあったが、夕食までに家に帰りたいので本日はこれにて打ち止め。完


ミツバフウロが見頃になっている。

 

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