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2006年9月2,3日 笠ヶ岳

 

笠ヶ岳(北アルプス) 2006年9月2,3日 No.378 隊長
9月2日 新穂高温泉無料駐車場1045m(6:00)〜(7:05)左俣林道笠新道登山口1368m(7:20)〜(10:50)杓子平2452m(11:00)〜抜戸岳2812m(12:20)〜抜戸岩2690m(13:45)〜(14:40)笠ヶ岳野営場2745m(15:00)〜笠ヶ岳山荘2811m〜(15:10)笠ヶ岳2897m(15:40)〜笠ヶ岳野営場(16:00) 累積標高約2000m、歩行距離約11km
9月3日 笠ヶ岳野営場(6:20)〜抜戸岳分岐〜秩父平2525m(8:20)〜大ノマ岳2662m(9:20)〜弓折岳分岐(10:45)〜(11:15)鏡平小屋(11:30)〜(14:00)ワサビ平小屋1402m(14:20)〜新穂高温泉無料駐車場(15:30) 歩行距離約19km

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朝夕のページ 笠のページ1 笠のページ2 花のページ1 花のページ2

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前夜の帰宅が遅くなり、食事等を済ませ荷物を車に詰め込んで自宅を出発できたのは22時を過ぎていた。途中で足りない食材をスーパーで買いだし湾岸に乗ったのは23時前。交通状況は深夜ということもあってスムーズで、東名阪、名古屋高速、名神、東海北陸道を快調に走って、2時30分に新穂高温泉に到着した。6時過ぎには出発したいので、睡眠時間は3時間ほどか。横になったと同時に朝が来たという感覚だった。短時間でもぐっすりと休めたので、頭がすっきりとしているし。身体のけだるさもなさそうだ。


朝の新穂高温泉

準備を済ませて駐車場から道路に上がり、左俣林道へと歩を進める。ルートは久しぶりの笠新道なので、前回の急登にあえいだ辛さなど忘れ去ってしまっている。たやすい登りではないことは百も承知なので、心してかからねばならない。身体の調子と相談しながら7分ほどの力でスローでスタートする。笠新道登山口までは、単調でつまらない林道歩きを強いられるので、道端の花を探しながら歩くのはいつものこと。年配のグループが勢いよく抜いていったが、大丈夫だろうか?


左俣林道、笠新道登山口

約1時間で笠新道の登山口に到着した。先着した数グループが登りに備えて、行動食を食べたり、水を補給したいして、これからの登りに備えている。皆さん登登意欲満々のようだが、さてどうなるだろうか。何人かは双六へ向かうと思われたが、意に反して全員が笠に向かって出発していった。小屋泊の登山者は混み具合が気が気にないだろう。その点、テント泊の者は、寝起き、食事など自由気ままである。しかしその代償として、大きな荷物を背負わなければならないが。5分くらいの間隔を置いて登り始める。


笠新道のダケカンバ

30分とたたないうちに、先発のグループに追いついてしまったようだ。ひとりじっくりと登ろうと思ったが、そのためにはこの団子状態をパスしなければならない。これがひとつの固まりと思っていたが、詰まっているのは先ほどすいすいと林道を歩いていった年配のグループだ。2グループがその後に続いている。最後のグループの最後尾の登山者が私の追い上げに気づき、道を譲ってくれた。それに気づいた先発隊も道を譲ってくれたので。さて後はマイペースでぐいぐいと登るのみだ。全開はひーひーとあえぎながら登った記憶があるが、今回は違う。キャリアーを積んだと言うこともあるし、登山道具が若干軽くなっていることもある、余分なものを持たなくなったことも確かだが、食材は野菜もたくさん持っている、しかし何より体重を15キロほど減らしたことが大きいようだ。


焼岳

この急登は、林道の登山口から杓子平までの標高差1000mを一気に登っている。途中、草付きの斜面で少し傾斜はゆるむが、喜びもつかの間で容赦なく登ることになる。たとえ言えば、ビルの階段を約4時間ほど登りっぱなしと言うことだろう。それでまだ終わりではない、それからまだ400mほど高度を稼ぎ、稜線に出てから約1時間ほど歩いてやっと笠ヶ岳に到着する。


笠新道から見る焼岳

高度を上げるにつれて、ブナからシラビソへ、ダケカンバからハイマツへと植相が変化して行くのが面白い。人の体はどうも消耗品的なところがある。一晩休めば復活するが、その日の疲労はどんどんと蓄積していくようで、体にかかる負荷によるボディブローは疲労となって蓄積していく。草付きの斜面が所々に現れてくると森林限界は近い。今年の夏の花は遅くまで咲いているので、9月になっても草付きの斜面には、秋の花に混ざって、シモツケソウ、ハクサンフウロ、クルマユリなどの夏の花が見受けられる。日差しはきついが、谷を駆け上がってくる涼風がなんと心地よいことか。振り返れば、槍と穂高の山容に圧倒され、目が釘付けになってしまい、急登の辛さを一時でも忘れさせてくれる。


森林限界付近の笠新道

杓子平らが近づくにつれて小休止の間隔も短くなってきた。小屋泊の山慣れた二組のご夫婦と抜きつ抜かれつしているうちにようやく杓子平に到着した。登山口から小休止などを含んで3時間40分を要したことになる。ガイドマップには4時間20分と記されているので、まずまずのタイムだろうか。


笠新道より槍ヶ岳を見る


槍ヶ岳アップ


杓子平まで、もうひとがんばりだ!

草付きの斜面には、シシウド、トリカブト、ハクサンフウロ、シモツケソウなどがたくさん咲いていた。このれを凌ぐといよいよ杓子平に到着する。


シシウド

杓子平に上がると、急登の疲れなど瞬間で忘れさせてくれる絶景が待っている。苦しみの後のご褒美に、この絶景をどう受け止めていいものやら、ただただ圧倒されるのみであった。撮影にもう少し工夫が欲しかったと思うが、そのときはそんなゆとりなどない。


杓子平から笠ヶ岳を見る


杓子平から笠ヶ岳を見る


杓子平から抜戸岳を見上げる


杓子平から笠ヶ岳を見る


杓子平から笠ヶ岳を見る 。手前は今年遭難があった穴毛谷

この全景を見ながら大休止と決め込みたいが、眼前に衝立のように立ちはだかる、抜戸岳から笠ヶ岳に続く長い稜線を見ていると、諸手を挙げて喜ぶわけにもいかないだ。まるで涸沢のカールのような地形で、稜線が近づくにつれて傾斜も増してくるのが見てわかる。ガイドマップを取り出して所要時間を確認する。1時間20分とある。鈴鹿でいうなら雲母峰ほどもありそうだ。本当に辛いのはここからだが、前回と違うのは花の多い季節であるころだろうか。ミヤマリンドウ、イワショウブ、ミヤマダイコンソウ、ハクサンイチゲ、オンダケ、モミジカラマツ、エゾシオガマ、アオノツガザクラ、ハクサンボウフウ、ミヤマホツツジ、ヤマハハコ、ミヤマカラマツ、クモマニガナ、タカネヨモギなどなど、夏の秋の花が混成状態で、時間の許す限りファインダーを覗きたいと思ったが、とにかく稜線まで這い上がる必要がなる。


杓子平の登山道から稜線を見上げる


杓子平から稜線を見上げる


杓子平と穂高

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2006年9月2,3日