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2006年8月29日 加賀白山

 

 

2006年8月29日 加賀白山 No.376 隊長
別当出合(6:05)〜中飯場〜甚之助小屋〜エコーライン分岐〜室堂〜南竜ケ馬場〜甚之助小屋〜別当出合(15:25)
 一日だけぽっかりと夏休暇ができた。ぐーたらと一日過ごすのは簡単だが、日頃から時間のやりくりに困っている者にとっては、じっと家に居られず、このときとばかりに山にせっせと通ってしまう。休みの日はゆっくりと身体を休めるべきだと思うが、にもかかわらず過酷な労働を強いに遠くの山まで出かけるのはこれいかに。ということで、白山に出かけた。一月前にも歩いているが、それから花がどのように移り変わっているのか確かめたかったこと、それから、新しく11-18mmレンズを購入したので、早速使ってみたかったこともある。しかし天気は、前線のしっぽが北陸あたりにかかってきており、芳しくなくようである。

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 準備を済ませ前夜の20時過ぎに自宅を出発することができた。到着予定時刻は深夜の0時だ。いつもは関ヶ原ICから福井北ICの間、高速道路を利用するようにしているが、今回は多少の遠回りを覚悟でなるだけ多く高速を使ってみることにした。つまり、伊勢湾岸川越ICから東名阪、名古屋高速、名神高速、北陸自動車道福井北ICで降りる。結果は15分の短縮にはなるが道路とガソリン料金を考えると割に合わないことが分かった。平日の深夜なので、快調に走って予定通り0時前には別当出会いの駐車場に入ることができた。交通規制が解除されているとき来るのは今回が初めてで、従って別当出会いまで車で入るのも初めてだ。かなり大きな駐車場が準備されているが、平日ということもあり十数台の車が駐車してあるだけで、実に閑散としていた。
 4時45分、目覚ましのアラームで目が覚める。日の出の時刻も遅くなってきているので、まだこの時間だと薄暗い。それよりも大変眠いので、もう少しと思って横になったらまた寝込んでしまったらしく5時半に目が覚めら。どうやら雨が降り出しているらしい。おにぎりをほおばりながら様子を伺う。そうしている間にも、すでに何人かの登山者がレインウェアを着込んで順に出発していく。すこし小降りになってきたので、6時過ぎに傘をさして歩き始める。週末は登山者であふれている別当出合の登山口も、平日は誰もいなくて閑散としたものだ。橋を渡って登山道へと進む。



別当谷にかかる吊り橋 大きく立派になったけど、少し横揺れが気になる

歩き始めてすぐの湿地帯では、初夏の頃には何段にも花をつけたウバユリが林立しているが、今は花も終わり大きな実を何個もつけているのが印象的だ。樹林の半日陰が好きなのかソバナがきれいに咲いている。黄色い花をつけたキオンがよく育っていて、背丈ほどにまで成長してる。この時期の樹林の主役は、白い花ならカニコウモリ、アカショウマ、ヤマブキショウマ、オトコエシなどだ。黄色い花をつけたタマガワホトトギスは少数派だ。山上では高山の花たちが待ってくれているので、それらの花の撮影はパスしてひたすら登る。



ソバナ 樹林の半日陰でよく見かける



ハクサンカメバヒキオコシ

中飯場でひと休み。雨も上がったようで少しは期待が持てそうだが、滝の上部から上はガスに覆われていてのが気になる。この高度になるとハクサンカメバヒキオコシがちょうど花の見頃のようで、登山道脇にごく普通に見られる。センジュガンピも高度を上げて甚の助小屋あたりで花が見頃になっている。


センジュガンピ



ハクサントリカブト

甚の助小屋を過ぎたあたりから植生が変わってくる。ハクサントリカブト、オニシモツケ、オオハナウド、サラシナショウマなど草付きの斜面に生える花が見られ始めると室堂への分岐点はもうすぐだ。急登をしのぎ水平のトラバース道に入る。このあたりは草付きの斜面を横切っているので花が多い。オンタデ、イブキトラノオ、シモツケソウ、サラシナショウマ、ハクサンフウロ、ニッコウキスゲ、ハクサントリカブトなどが斜面を飾っている。このあたりまで来ると小屋泊の人たちを行き交うようになる。さてここからどのコースを歩こうか、空を見上げながら思案する。このままだと晴れる見込みはなさそうなので、山頂からの展望は絶望的だ。ならば足下の花に注力した方が良さそうなので、山頂をあきらめてエコーラインで室堂まで行き、トンビ岩コースで南竜が馬場に降りることにする。ただトンビ岩コースは、ハイマツ帯が多く、花に関してはあまりいい印象が残っていなかったが、同じコースを降りるのも飽きがくるので、久しぶりにこのコースを降りることに決める。


ニッコウキシスゲ エコーラインにたくさん咲いている

草付きに斜面を縫うように登っていくエコーラインは相変わらず花が多い。ニッコウキスゲは盛りは過ぎたものの、まだまだ花が残っていた。カライトソウは、ふわふわの穂が雨に濡れて台無しになっているが、かえって濡れた花穂の紅紫色が鮮やかに映る。傘をさし、ガスの切れ間を縫っての撮影には時間がかかるが、足早に歩き去るにはもったいない。


雪解けが遅れていたので チングルマも見頃になっているところがある

急登をしのぐと右手には遅くまで雪渓の残っていた谷がある。もう今は雪が消えているが、遅くまで残雪が有ったおかげで、チングルマやハクサンコザクラ、アオノツガザクラの花期が遅れていて、幸運にも今が花の見頃になっている。11-18mmのレンズを使って広がりを表現したいが、雨と風とガスに悩まされる。チングルマを日当たりの良いところではすでに花が終わっているが、チングルマに関しては花の後の綿毛もきれいだ。時間を気にせず、思いつくままに立ち止まっては撮影モードに入る。


ハクサンコザクラ


ハクサンコザクラ


カライトソウ エコーラインなど草付きの斜面でよく見かける


チングルマは花のあとも楽しめる


チングルマ


ミヤマホツヅジ

道草ばかりしていたので、室堂に到着したときにはすでに11時を過ぎていた。風はあまりないので外でお昼にしようとお湯を沸かし始めたらまた雨が降り出したので、カップ麺にお湯を注いで急いでビジターセンターに入る。平日でしかも天気が悪いので登山者は少ないが、センターは通常の営業をしているようだ。何度も外を見るが天候の回復は望めそうもないようだ。一息入れてから退散することにした。

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2006年8月29日