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2006年5月21日 大台ヶ原

 

2006年5月21日 大台ヶ原 No.367 隊長、うさぎ

鈴鹿の自宅(4:40)〜大台ヶ原駐車場(7:30)〜(8:40)日出が岳(9:00)〜大蛇グラ(10:40)〜(11:00)大蛇グラ分岐で昼食(11:40)〜シオカラ谷〜大台ヶ原駐車場(13:00)〜自宅(16:10)

願わくば、アケボノツツジ、シロヤシオ、シャクナゲの3つを見たい。早朝から車を飛ばして大台ヶ原に向かった。まだ梅雨には入っていないようだが、前線がうろちょろしていて、天候のはっきりしない日がつづいている。しかし天の恵みかどうかわからないが、今日は五月晴れの好天に恵まれた。もはや選択の余地などない。今日行かなければ、来週の天気の保証などどこにもない。確か昨年よりも1週間ほど早い山行となった。昨年はシャクナゲがほとんど終わっていたので、今年はちょうどいいだろうと予測をして出かけたのだが・・・

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今日は16時に家に帰らなければならないので、早朝に出発した。自宅から大台ヶ原までは、往復すると距離が約300キロほどある。片道の所要時間は約3時間で、往復すると6時間かかる。朝は早く出たつもりだったが、駐車場に到着するとすでにたくさんの車が入っていた。祭りの準備だとかで、駐車場の半分がそのために確保されていて、すでに満車の状態になっていたが、何とか1台分のスペースを見つけ、車を滑り込ませる。以後の到着した車は路肩駐車となる。準備とトイレを済ませ、7時30分に出発した。駐車場を基点に、ぐるっと時計回りに周回する、スタンダードなコースだ。


トウヒ林

朝の清々しさの残るトウヒやウラジロモミの原生林を歩く。鹿よけの木に巻き付けられた金網が目障りだが、これも自然保護のためだから仕方がないだろう。ともに鈴鹿にはない、亜高山帯の樹木なので、遠くの山に来たなという雰囲気に包まれる。林床は背の低いミヤコザサで被われていて、見通しがよい。トウヒは大台ヶ原においては標高が1600m以上に分布している。ここの最高点が日出が岳の1695mだから、標高的には下限に分布しているので、これ以上の逃げ場はなく、従って分布域はそれほど広いわけではない。トウヒは北海道に分布するエゾマツの変種だが、これが紀伊半島の南部に孤立してあることが興味深い。しばらく苔探勝路を歩き、雰囲気を高めてから本コースに戻った。


ワチガイソウ

日出が丘までのは約30分の行程で、最初は先の針葉樹林が続く。石の転がる谷筋には、葉を伸ばしたバイケイソウが、登山道脇には、ミヤマカタバミ、ワチガイソウ、ヒメミヤマスミレがあちらことらで小群落を作っている。ヒメイチゲはないかと、足下に注意しながら歩いていると、やっと一輪見つけることができた。今日もたくさんのカメラマンが入山しているようだが、皆さんはシャクナゲが目当てらしく、こんな小さな花を目当てにしているのはまれなようだ。


ヒメミヤマスミレ


ヒメイチゲ

オオイタヤメイゲツ、ブナ、シロヤシオなどが多くなってくると、森全体が明るい雰囲気になり、しばらくして正木峠展望台に到着する。昨年は目の覚める青葉を背景に記念撮影をしたが、今年の今日は、まだ芽がふくらんだところだ。ここからは一気に芽吹いていくので、来週には様子が一変するだろう。シロヤシオに関しては、今年は咲いてくれるかどうかすら判断のできない状態だ。試合開始と同時に、一番バッターが勇んでバッターボックスに入った気分だが、見事に三球三振を食らった気分だ。しかしシャクナゲは何とかなるだろうと、淡い期待を胸に山頂に向かう。  


ホンシャクナゲ

峠から日出が岳山頂への木道を上がり三角点にタッチ。晩秋から鈴鹿を中心に歩いていたので、最高点は御池岳の1242mだったが、ここ大台ヶ原の最高点は1695mだ。標高が高い山ほどいい山とはいえないが、どうしても標高を意識してしまう。展望台に登れば見慣れた360度の展望が広がる。天候は快晴だが、空気の透明度はそれほどよくない。大峰の主要な山々がやっと確認できる程度で、太平洋のある東に目を向けると水平線は確認できなかった。


日出が岳山頂1694.9m

大杉谷方面へ少し降りてシャクナゲを探すが、ほとんどがつぼんでいる状態だ。あと数日あれば満開になるだろう。鈴鹿のアカヤシオの開花が数日の遅れだったが、ここのシャクナゲは1週間以上遅れていることになる。ただ、シオカラ谷方面へ高度を落としていけば、開花が期待できそうなので、シャクナゲ坂散策をあきらめて、大蛇ぐらへの周回に入る。


正木領の立ち枯れのトウヒの林

白骨林の中を縫う木道は、他であまり見かけない光景だけに、いつ歩いても興味深く感じる。立ち枯れの木はいつかは朽ち果てるだろうから、いつまでこの状態が続くのだろうか。またその後の植生はどうなるだろうか、いろいろと考えさせられる所でもある。

尾鷲辻までシロヤシオの開花を探して歩いてきたが、どこにもなかった。どうしたことか。遅れているとはいっても、全く蕾も見あたらないのはおかしい。これから咲くのはどうかの気配すら感じることができなかった。

<<< 工事中  >>>

 牛石ケ原の池の所まできて、石柱を確かめる。もぐらもちさんの調査によると、石柱の裏側には「松浦武四郎」の名が刻まれているようなので、確認してみた。明治20年に松浦武四郎が設置した道標(写真の左側)らしい。


左:明治20年に松浦武四郎が設置した道標

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2006年21日