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2006年5月10日 雲母山麓

 

2006年5月10日 雲母山麓 

自然教室で雲母山麓を散策した。あいにくの雨で、楽しみにしていた御在所登山も取りやめとなり、雨間をぬって山麓を散策した。よく手入れされた里山には、キンランが自生し、ササユリも出番を待っていた。コバノガマズミ、ベニドウダン、ヤマツツジヤ、ツクバネウツギが見頃で、雨に濡れた花の色がひときわ鮮やかだった。ヤマヒルも元気だった。

今年のツツジ科は不作の年かもしれないが、ここのベニドウダンはたくさん花をつけていた。アカヤシオも馬の背のものは花のつきがよかったようだが、どうも稜線のものはぱっとしなかったようだ。アカヤシオは標高にして、鈴鹿では600m〜1200mまで見られるが、全域が不作とも限らないのかもしれない。

べにどうだん
ベニドウダン

3日間とも雨に降られ、窓越しにケヤキの若葉を見ていた。

けやき
ケヤキの若葉

手入れされた里山でこそ咲いてくれる花だろうと思う。生育環境さえ整えば、キンランやササユリがたくさん咲いてくる。ラン科キンラン属は少数派の家族で、親戚筋のギンランはあまり見かけなくなった。以前御池岳付近の県境稜線で見たが、それ以後は見ていない。ラン科はきれいな花を咲かせる種が多いので、乱獲が心配だ。

きんらん
キンラン

きんらん

きんらん
キンラン

きららみね
雲母峰と大門池

スイカズラ科ガマズミ属の樹木は何種類かあるので、道程が難しい。まずはムシカリのように装飾花があるかないかがポイントで、これは簡単に見分けることができるだろう。花だけを見ても、皆同じに見えるので、やはりポイントは葉をよく観察することになるだろう。

がまずみ
コバノガマズミ

がまずみ
コバノガマズミ

こなら
コナラ


スズカカンアオイ

ユリ科は皆、派手なやつが多いが、ことチゴユリに関しては、「これ以上は質素にできないユリ」とでも表現しようか。だけど名前がかわいいので、親しまれているようだ。


チゴユリ

トチの木の花がよく咲いていた。今年もたくさん実をつけるかもしれない。花も大柄だが、それに負けずに葉も大きくて特徴的だ。トチ餅に使おうとすると、あく抜きなど随分と手間がかかる話なので、今年もできたものをいただくとしよう。


トチ


ツクバネウツギ


ツクバネウツギ

山麓のヤマツツジがきれいだ。高い山にレンゲツツジを見に行かなくても、鈴鹿山麓で普通に見られるヤマツツジも捨てたものじゃない。


ヤマツツジ

 

今年もヤマヒルは元気だった。雨の合間を縫って子どもたちに散策をさせたが、あちらこちらで「ぎゃおーー!」という叫び声が。自然教室だからこれも経験だ。長くてにょろっとしたものは、人間は苦手なようだ。特には虫類の蛇類は、とっても苦手な人が多い。例に漏れず私もそうだ。
恐竜がこの地球の天下を取っていた頃、我々のご先祖様のほ乳類は、きっと肩身の狭い思いをして生きていたのだろう。そして、相当ひどい目にあわされていて、そのことがしっかりとDNAに記憶されているので、本能的には虫類を敬遠するのかもしれない。

 

2006年5月10日