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2006年3月21日 霊仙山(鈴鹿)

 

2006年3月21日 霊仙山 panaちゃん、隊長 No.358
落合(8:00)〜笹峠(9:12)〜近江展望(10:00)〜山頂(12:17)〜汗ふき峠(13:30)〜落合(14:35)
*撮影タイムが入っているので、行程間の時間は実際の歩行時間とは同じではありません。

 花曇り 開き加減が 気になるが 黄金の花の 愛らしきこと

 ミスミソウ 今年も会えた よろこびを 皆で分けあい レンズを覗く

藤原の喧噪を避け、霊仙山に花見に行った。お目当ての花は、やはりフクジュソウとミスミソウだ。昨年も確かこの日に汗ふき峠のミスミソウと、伊吹山のセツブンソウを目当てにきた記憶がある。虫が花の咲く場所や時期を知っているように、花好きの登山者も花を目当てに遠くからやってくる。昨夜の掲示板で、panaちゃんがお出ましになることは予測できたが、落合に到着してみるとすでに準備にかかっていた。

冬期通行止めのために国道306号線は使えない。1号線を利用して鈴鹿峠を越えて北上しようか迷ったが、関ヶ原から彦根間の高速利用で時間の短縮を図った。それでも自宅を出てから、登山口まではたっぷり2時間かかった。登山口へは8時前に到着した。すでにpanaちゃんが到着しており、出発の準備にかかっていた。特に申し合わせたわけでもないが、この季節に花を見られる山となると限られてくる。鈴鹿の藤原岳は、フクジュソウの山としてあまりにも有名で、団体登山が押し寄せ、のんびりと花見もできない状況だ。ならば霊仙がいいかというと、アプローチに少々難がある。醒ヶ井から入るにしろ、落合まで入るにしろ車を使ったアプローチはできるが、道路の状況があまりよくない。確か昨年は、汗ふき峠の帰りに、ほんの2時間ほどの間に落石があったようで、道路が半分が塞がっていた。醒ヶ井から入る場合はもっと道路事情が悪く、未舗装で落石が多い。従って、こういったリスクを承知しなければならない。

朝が早いこともあって、登山者は3名ほどだ。準備を済ませて8時前に登山口に入る。男性二人組の登山者と、抜きつ抜かれつ、花見をしながらのんびりと歩き始める。廃村付近のフクジュソウは、すでに背丈が伸びて、パセリ状の葉が気になり始めている。落葉樹の尾根に入ると白い花をつけたミスミソウが目につき始める。まだ朝が早いせいか、曇り空のせいか、花はうつむき加減で、被写体になってくれそうな個体は少ない。汗ふき峠の群落はおそらく、期待を裏切らないだろうことが予測できるので、撮影もそこそこに笹峠を目指す。笹峠までは落葉樹林が多く、この季節は明るく開放的だ。ケヤキやブナの大木を見上げながら、残雪の登山道を歩く。昨年はブナの木も、たくさん実をつけたようで、残雪の上にブナの実の殻がたくさん落ちていた。明るい落葉樹林なので、ほかの花も期待してしまうが、この時期に見られるのはミスミソウのみのようだ。山談義に花を咲かせながら歩くと、時間のたつのは早く、気がつくと笹峠に着いていた。峠手前の残雪が、今期の積雪を物語っていた。

笹峠で一息入れて、近江展望までの急登に備える。以前の笹峠は、背丈を超える笹に、方向もわからずにトンネルの中を歩いているようだったが、現在は笹も衰えて大変歩きやすくなっている。そのためか、西南尾根を使った周回ルートも人気があるようだ。灌木帯を抜けると一気に展望が広がると同時に、傾斜もきつくなってっくる。息が上がり汗が噴き出してくる。振り向くと御池岳の巨体が目に飛び込んできた。残雪のため、白く大きく見えている。ホームページ用の短歌を絞り出したいところだが、これから出迎えてくれるであろう、西南尾根のフクジュソウのことが気になって、いいアイデアが浮かばない。


西南尾根

急登をしのぎ、尾根の南端に登りつく。近江展望だが、案内板等が一切なくなっているので、初めての登山者はここがどこだかわからないだろう。尾根は石灰岩が露出していて歩きにくいが、残雪のおかげで雪を踏みながら歩くことができるので楽だ。お目当てのフクジュソウが雪解けの斜面で、ちらほらと花を開かせている。花曇りの天気で、ちょっと控え気味だが、花は半開きといったところか。今年もフクジュソウに会えたよろこびに浸り、花を求めてレンズを覗く。美しい花を見てな、ぜこんなに撮影に専念できるのだろうか。花に限らず山の雄大な風景でも同じだと思うが、やはり感動を誰かに伝いたいという気持ちが、動機になっているのかもしれない。


西南尾根から本峰を見る


西南尾根に咲くフクジュソウ

少しお昼には早いが、風を避けて東斜面で、足下のフクジュソウを見ながら昼食休憩にした。今日は天気がぱっとしないので登山者も少ないかと思ったが、休憩していると何組かのグループが尾根にあがってきた。


panaちゃん、大滑降!

西南尾根も笹のあるところまでくると、フクジュソウも期待できなくなる。最高点を踏む必要もないので、山頂目指してショートカットする。雪のしまった雪面はシリセードに都合がいい。早速panaちゃんが滑走を開始する。100mほどを一気に滑り降りる。石灰岩の露頭付近は花の宝庫。またまた撮影タイム。山頂に到着すると何組かの登山者が休憩していた。少し休憩をしてからお猿岩までショートカット。またまた群落を見つける。残雪が多く、まだ来週も見頃かもしれない。お猿岩からは、新しい登山道が整備されている。岩場の急降下が歩きにくかったが、今度の新しいコースは随分歩きやすくなっている。ありがたい。見晴台で休憩後、ミスミソウの待つ汗ふき峠を目指す。

曇り空のために、花の開き具合が気になっていたが、花は何とか開いてくれていた。峠付近だけにミスミソウが多いのはなぜだろうか。花も大きく個体数も多い。心ゆくまで撮影に励む。大洞谷に降りると、かなりの残雪だ。積雪のためになぎ倒された杉が目立つ。雪道を歩いて落合まで戻ると、時計は14時30分を過ぎたところだった。たっぷりと撮影時間をとったが、早く帰れたのはショートカットのおかげだろう。


ミスミソウ

これでますます、色に変化のあるミスミソウが見たくなってきた。

 

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