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2006年2月12日 国見岳(鈴鹿)

 

2006年2月12日 国見岳(鈴鹿) No.354 隊長

 国見岳 県境尾根は 雪多し そこが頂 時間が足りぬ 

朝明駐車場(8:40)〜根平峠(10:25)〜ハライド分岐手前の岩場(12:56)〜(13:00)昼食(13:40)〜朝明駐車場(15:30) *途中で撤退

来週はテーブルランドを予定しているので、今週はどこの山域にしようかと悩んだが、近場で人の少ないところを選んでみた。天候もある程度期待できたので、そこそこ展望が得られる尾根はどこだろうかと考えた結果が、根平から国見岳になった。実のところ第2案として雨乞岳も考えており、地形図も準備していた。その日の体調と出発時間によりアタックを考えていたが、体調と時間ともに条件を満たさず、いとも簡単に雨乞を断念した結果だった。

平地は晴天だが山を見ると白いベールがかかった状態だ。雪でもがちらついているようだ。地形図は2つ準備した。雨乞と国見だ。朝6時に目覚ましで起きられず、1時間の遅刻になってしまった。もはやこの時点で雨乞いにいく資格はなくなっているが、体調と雪質次第で途中までの散策もいいのではと思い、週発の時点ではまだ目的は定まっていなかった。
駐車場にはすでに数台の車が停まっていた。ご夫婦が準備をすませ、釈迦方面に出発するところだった。この時期は500円おじさんがいないので、駐車は無料ということだろう。もう少し先まで乗り入れてみようと橋のところまで進んだが、前回のスタックのことが脳裏をかすめ引き返した。駐車場には残雪が多く、限られた場所にしか駐車ができない。


朝明駐車場

装備は前回と同じでスノーシュートとアイゼンは必携だ。デジイチと交換レンズ、ふじ645が入っているので、ザックは決して軽いとはいえない。長距離の場合は荷物を軽くして歩くことに専念するが、普段から楽をしていると夏場のテント泊装備のザックを担いだときに反省することになるので、いつも訓練のつもりで重いザックを持ち歩いている。
根の平峠まではしっかりとしたトレースがあり、踏み固められているのでアイゼンやスノのシューを使うまでもない。今日は先人が二人ほど歩いているようだ、一人は峠の手前で左にそれていっている、もう一人は峠から街道に沿って歩いているようだ。もしかして雨乞を目指したのだろうか。当初は雨乞も候補にしていたが、いつもより足が重くあまり気乗りがしないので、第1案の国見に心が決まった。


根ノ平峠

国見方面へは全くトレースがない。ここからはスノーシューの出番となった。上質の雪に埋もれた明るい樹林を歩くのは、実に気持ちがいいものだ。ザクザクと心地よい音が足から伝わってくる。足早に流れる雲間からまぶしい日差しが漏れてくる。雪山歩きにはいい日和だが、今日はどうも足が重く感じられる。峠からしばらくは緩やかな傾斜が続くが、徐々に角度を増してきてスノーシューをけり込んで登るようになってくる。登山道は雪で完全に埋没していて、しかも雪庇が発達しているので、コースを外した方が歩きやすい。毎年何度か歩いているコースなので勝手知った道だが、雪ですべてが隠されるこの季節は様子が一変する。

ぐいぐいと高度を上げていくと、樹林の間から雪を抱いた鈴鹿北部の山々が見え隠れする。青空のあるうちに撮影したいが、この樹林を抜けないといけない。気持ちはぐいぐいと登っていくが体がついてこない。P1041まで登れば展望のいい尾根歩きができるが、そこまでの標高差100Mの急勾配に手こずる。峠から歩き出したとき、ほどよく雪がしまっているたので、この分だと山頂はゲットできるだろうと思ったが、P1041までに思わぬ苦戦を強いられ、いとも簡単に時間を消費してしまった。

尾根にあがると青空と展望が待っていてくれた。青空が見えているうちに撮影を済ませる。尾根を吹き抜ける風は雪を舞いあげ、容赦なく頬にあたってくるのでちくちくと痛い。時計を見る。もうすぐに13時になる。ここから山頂を往復するには、雪の状態にもよるが少なくとも2時間は必要だろう。17:30にはなんとは駐車場まで戻れる計算になるが、この場合は昼食休憩はなしだ。さてどうするか?とりあえずは岩場まであがって昼食をすることにする。


釈迦ヶ岳 大陰のガレ

岩の上に立つと見晴らしがいいが、風邪が強く、あおられてバランスを崩しそうになった。鈴鹿主脈山々は、光度を増しつつある陽光をうけて白く浮かび上がって、まるでアルプスの連山を見ているような錯覚を覚える。ただ雨乞い岳は別格で、
積雪の具合も他と違うし、上空の雪雲も居座ったままだ。鈴鹿北部に目をやると、御池岳の向こうには、白鯨のように際だつ霊仙山が白い巨体を横たえているのが印象的だ。朝から山頂をめざし励んできたが、岩の上から見る胸のすくような展望に、ある程度の満足感が得られたようで、なんとしても山頂までというモチベーションも薄れてきた。ここらあたりが潮時だろう。風を避けられる日だまりの雪を固め腰を下ろす。


分岐手前の岩場


雨乞岳


イブネ、クラシ と 登ってきた尾根


本日ここまで


竜ケ岳(左) 釈迦ヶ岳(右)

昼食休憩が終わり来た道を引き返す。登りには難渋しずいぶんと時間がかかったが、雪面の降下は早い。下るというよりも滑り落ちるといった表現が正しのだろう。根ノ平峠まではあっという間に戻ることができた。峠付近では踏み後が増えていた。天候が少し悪くなってきたようで、また小雪がぱらつきだしたので、スノーシューをはずして峠をあとにした。

 

2006年2月5日 Copyright (C) 2006 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home