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2006年2月5日 頭蛇がケ平、白船峠(鈴鹿)

 

2006年2月5日 白船峠、頭蛇ケ平 No.353 隊長

 雪深し 近くて遠い 御池かな 思いは遠く テーブルランド

白船峠登山口〜坂本分岐〜白船峠〜頭蛇ケ平〜坂本分岐〜白船峠登山口(8:50〜16:00)

朝、玄関を出ると、予期せぬ積雪と足早にかける雪雲に戸惑いを隠せなかった。山行前夜は必ず天気図を確認し、心づもりをしておくのが習慣だが、ここ一月ほど山から遠ざかっていたので、安易に考えていたようだ。青空の下、テーブルランドを歩いてみたいという願望を満たすべく、先週から計画を立てていて、寒波の後の晴天と休日が一致したかに思えたが、事がうまく運ばないのはこの世の常。

車に乗り込むと、外気温が氷点下を示す警告の点滅に気がつく。ぐっと冷え込んで雪質はいいだろうが、山の方を見ると白いベールに包まれている。もし御池のテーブルランドまでたどり着いたとしても、ホワイトアウト状態で何も見えないだろう、と思うと少しやる気が萎えてきた。鈴鹿山脈と平行して南部から北部へ車で走るわけだが、山域の変更はいつでもできる。積雪はたいしたことはないが気温が低いので路面が凍結しているので安全速度でとりあえずは鈴鹿北部を目指す。途中コンビニでサンドイッチを仕入れて朝食とする。昼食は暖かいラーメンの準備をしてきたが、副食と行動食として、気温が低いのでおにぎりは避けて、あんパンとカレーパンを買う。国道306号線を北進するが、まだ山域が定まらない。とりあえずは藤原パーキングまで車を進める。8時半をすぎているので登山者の車は一台も止まっていない。山を見上げると白いベールに包まれたままだ。時間的にも出遅れているので、大貝戸から藤原をピストンしようかなと思い、大貝戸へ車を回す。ところが駐車場は満車状態。騒々しく歩きたくはなかったので、この時点で心が御池岳に決まる。早速車を白船峠登山口に回す。先客は1台だけだ。トレースを見ると丸尾へ向かったようだ。これで真新しい木和田尾を歩ける。fuji645、デジイチ、スノーシュー、12本アイゼンをザックに詰め込む。ひと月ほどザックを担いでなかったので、随分重く感じる。登山口付近の積雪は数センチほどだが、その下の古い雪が凍結した状態になっているので、けっこう足をとられる。傾斜が増せばアイゼンをつけた方が歩きやすいだろと思いながら薄暗い植林を谷を上り始める。

谷を抜けると明るい落葉樹林に入り傾斜も一段落する。登るにつれて積雪は徐々に増してくるが、スノーシューを使うまでもない。ただし新雪の下が雪が凍結しているので、アイゼンをつけた方が歩きやすそうだ。ぐんぐんと高度を上げて坂本との合流点手前の鉄塔で一休み。あんパンをかじる。一息入れて白船峠を目指す。コースに戻ると下山のトレースがある。どうやら藤原からの縦走らしい。

坂本分岐からはトレースがない。積雪が増してきたのでスノーシューを装着するが、30センチほどの新雪の下が凍結して雪面になっているので、トラバースで横滑りが激しい。アイゼンに履き替えて足下が安定した。雪の量に反比例して歩行速度がぐんぐん落ちてきて、テーブルランド往復のための時間と体力を消耗していく。トラバース道が終わると峠への登りにかかるが、登山道は完全に埋没していてどこだかわからない。この時期は登山道などあってないようなものだ。50センチ以上の積雪はあるが、アイゼンが新雪の下の凍結した雪面を確実にとれ得ているので、力をぐっと入れることができる。足の筋肉に乳酸が滞ってきたのだろうか、だるくて足があがらなくなってきた。どんどん速度が落ちて亀より遅いくらいだ。何度も足を止めて見上げるがなかなか尾根に乗れない。なんとか尾根に出たが、白船峠よりも少し東だった。時計を見る。すでに、峠に降りてテーブルランドを往復する時間はなくなっていた。それよりも、御池方面は白いカーテンが掛かった状態で、どうやら吹雪いているようだ。青空が広がっていれば、ヘッデンを使っての下山も考えられるが、この状態ではアタックする気持ちにはなれない。しかしこのまま引き返しては芸がないので、頭蛇ケ平を回って帰ることにする。

鉄塔まではそれほど距離はないが、思うように進まない。鉄塔付近は吹きさらし状態で長居はできない。風を避けて遅い昼食にする。ポッカレモンのペットボトルはシャーベットになり、水を入れたボトルの口は凍結してふたのねじが回らない。まずはガソリンコンロの火をつけて暖める。手袋を外すとすぐに手がかじかんで痛くなってくる。気温はかなり低いようだ。厚手の手袋を着けたまま割り箸を持つのは難儀だ。暖かいラーメンで少しからだが暖まる。テーブルランドには乗りたかったが、今日はここで退散することにした。

 

 

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