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2006,1,9 鎌ケ岳(鈴鹿)

 

2006年1月9日 鎌ケ岳 No.352 隊長

 鎌ケ岳 今年も雪と 格闘だ そこが頂 意地でも登る

宮妻からカズラ谷をピストン(9:20〜16:50)登り4時間40分

今日は申し分のない好天だ。積雪期の鎌ケ岳はなかなか遠い存在の山になっている。雪がなければ武平峠から簡単に登れるが、積雪期にはそう簡単には登る頃ができない。昨年に引き続き今年も、カズラ谷から登ってみた。今年の積雪に例年になく多く、今朝は気温も下がっているのでアイゼンとスノーシューを準備した。水場を過ぎ鎌尾根の展望が開けるところまではトレースに助けられたが、それから先はトレースがなくなり、2時間ほど雪と格闘することとなった。


雨乞岳

稜線に立ち、冬の鈴鹿を眺めてみたい。さてどの山にしようかと昨夜から考えていたが、ねらいが定まらずに朝を迎えた。6時に目覚ましをかけておいたが、なかなか起きられず、家を出たのは8時過ぎだった。この時点でねらいが入道ケ岳と鎌ケ岳に絞られた。そして水沢に入り鎌ケ岳に決定。宮妻キャンプ場まで車を進める。アイスバーンになっているので、特にコーナーは要注意だ。駐車場には先人の車が一台とまっていた。時間節約のために登山口まで車を進めることにしたが、これが裏目に出てしまった。橋を渡りきったところで車がスタック。4WDを過信したのが間違いだった。アイスバーンの坂道では通用しない。ここでもがいてしまうと、車がどんどんと路肩に寄ってしまうので、迷わずにジャッキアップしチェーンを装着する。脱出に30分を要した。急がば回れ!

登山口から数十センチの積雪があるが、しっかりとしたトレースがあるので歩きやすい。労せずして行程のほぼ中間地点にある水場まで来ることができた。しかし問題はここから先だ。雪がなければ50分で岳峠まで行き着くことができるが、積雪期は予測ができない。降り積もった雪の重さでアセビが垂れ下がっていて、あちらこちらで通路を塞いでいるので歩きにくい。

空腹を感じたのであんパンとコーヒーでお腹を落ち着けていると、単独の山人が追いついてきたので、先に行ってもらう。水場の上部の急登が終わると一旦は平坦になるが、また少し登りが始まり尾根に出ると鎌尾根の展望が開ける。ここまではトレースがしっかりとしていて難はなかった。ここで先行した山人と先頭を交代する。

少し展望を楽しみ先に進むとトレースがなくなった。お荷物になっていたスノーシューの出番がやってきた。ここまで来ると積雪量も相当なもので、ストックが全部入っても手応えがない。スノーシューの浮力に助けてもらはないかぎり、先には進めない状態になってきた。カズラ谷コースの上部は、痩せ尾根の南斜面のトラバースする箇所が何カ所かあるが、その部分は完全に雪で埋もれていて、雪面の斜面を横切るのは危険だ。なので尾根に這い上がり灌木を縫って進んでいくしかない。スノーシューを装着してはいるが、痩せ尾根が故に何度も踏み抜いたり、吹きだまりにはまりこんだりで、時間ばかりを消費してしまっている。樹林の間から鎌ケ岳だ見え隠れしているが果てしなく遠いように思えてくる。さて、岳峠と鎌尾根への分岐点まできたが、岳峠への斜面道は完全に雪に埋もれていて使用できない。まずは岳峠南側のピークまで這い上がるしかない。スノーシューが効かないので、ここにデポして素足でこの斜面をよじ登ることにする。雪の中を泳いでいるような状態で、殆ど前に進まなくなってきた。あと数十mほどだと思うが、ピークが果てしなく遠い。何度か胸のあたりまで沈んでしまい、脱出にまた時間がかかってしまう。渾身の力を振り絞りなんとかピークに立ったときは14時を過ぎていた。なんと水場から3時間20分もかかってしまった。

青空を背景に雪を乗せた鎌ケ岳を撮影したい思っていたが、今日はやっと念願が叶った。ピークは風もなく実に穏やかで、展望をほしいままにできる。岳峠まで降りて山頂を狙う時間もなくなった。というよりも、雪に阻まれておそらくは1時間以上かかるに違いない。当初は鎌尾根も少しは歩いてみたいなと思っていたが、張り出した雪庇を見て恐れをなしてしまった。色々と重いは駆けめぐるが、このピークが一応の目的だったので、ゆっくりと腰を下ろし、暖かいうどんをつくり、鎌ケ岳を見上げながらいただく。

 


鎌尾根北端の雪庇


入道ケ岳


雨乞岳


雲母峰


岳峠



入道ケ岳

 

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