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2005,12,31 御在所岳 中道 裏登山道

 

2006年1月3日 藤原岳 No.351 隊長

 風雪の 小屋に入れぬ 藤原は 昼に休める 場所もなし

大貝戸から避難小屋をピストン(8:05〜13:10) PDF版はこちらです

天候は芳しくないが、山へ行ける日は今日しかない。樹氷で有名な三峰山も初登りの候補として上げていたが、先日御在所から見た鈴鹿北部の山の白さが気になっていたので、初登りを藤原岳とした。日の出前に自宅を出る。東の方を見ても朝焼けの気配がなく、厚い雲の朝日が遮られているようだ。それどころか山が近づくにつれて、ぽつりぽつりとフロントガラスに雨粒が当たり出した。山の方を見ると半分から上が白いベールに包まれている。今日は風雪の山行記になりそうだ。

途中コンビニで朝食と昼食を仕入れ、大貝戸の休憩所の前の駐車場に車をつける。すでに登山者と思われる車が一台停まっており、休憩所の軒下で準備をしているようだ。そうこうするうちに、何台かの車が入ってきた。状況から察するにグループの登山者のようだ。このグループよりも先に出たいので、急いで準備をする。コースの状況がしっかりとつかめてないので、アイゼンとスノーシューの両方を装備した。さてカメラは?。あれ、カメラがない。カエラムの55リットルのカメラザックには、ビバークのできる装備が入っているが、皮肉にも肝心のデジタル一眼が入っていない。がっくりと肩を落とす。しかし携帯にはカメラがついていることだし、fuji645を持っているので、ここ一番はこのカメラにゆだねることにする。とにかく先陣を切って出発する。

みぞれが断続的に降っているので、最初からレインウエアーを着用する。2合目の看板を見る頃には体が暖まってきた。この時点では積雪もそれほどないので、時間のロスもなく4合目までのぼる。合数を上げるにつれて徐々に雪が深くなってきたが、6合目あたりまでは歩行には問題のない積雪量だった。しかし7合目を過ぎると急に雪の量が増してきた。トレースも風雪にかき消されはっきりとしない。どうやら今日も先頭を歩いているようだ。コースが分からなくなったので、8合目の方向に目標を定め適当に歩く。膝下まで潜り込むようになりそろそろスノーシューの出番かと思う頃に8合目に到着した。100mほど南側を歩いていたので、とりあえずは8合目の標識のあるところまで行く。

ここからは全くトレースがない。いよいよスノーシューの出番だ。南方の斜面を登り尾根に乗る。スノーシューは斜面にも強いはずだが、今回はよくスリップする。固まった雪の上に数十センチの新雪層があるためだろうか。雪はやむことがなく降り続いているが時折、太陽が覗くので、ワンチャンスを狙った撮影ができるかもしれないという淡い期待がある。先頭を歩くのは大変なパワーが必要だが、真っ新の雪にトレースをつけるのも悪くはない。9合目まで来るとさらに雪が深くなってきた。このあたりははっきりとした登山コースになっているはずであるが、すべてが雪にかき消されていて、マーキングテープを見て、ここがコースかと思うほどである。これだけの積雪になるとコースをたどる意味もないので、一直線に避難小屋を目指す。傾斜がきつくなるとスノーシューといえでもスリップしだすので、パワーのロスも多くなってくる。もう少しで避難小屋だが、終始先頭を歩いてきた疲れが出て、少し後方につけていた単独登山者にここで先頭を譲ることにした。傾斜を登り切り灌木帯に入ると、風雪が激しくなり氷の粒が顔面を叩くので、痛いのか冷たいのか分からない状態だ。風にあおられふらふらしながら、なんとか避難小屋までたどりついた。 


避難小屋 窓は完全に雪に埋もれている 携帯で撮影したのでねらい定まらず

大荒れの天気になったので、小屋に入り暖かいラーメンでも作ろうかと思ったが、入口が半分ほど雪に埋もれていて、しかも扉が凍り付いていて、押しても引いても全く動かない。小親の陰で風雪は何とかしのげるが、お湯を沸かしてラーメンを作れる状態ではない。ツェルトを張ることも考えたが、この風では難しそうだ。撮影のために手袋を外すと、あっという間に手が痛くなってくる。あんパンを凍り付きそうさお茶で流し込み、体が温かいうちに引き返すことにした。結局カメラは使わず、背中でカエラムのザックが泣いていた。

 

2006_1_3