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2005_09_24 釈迦ヶ岳、金山(鈴鹿)

 

釈迦ヶ岳1092m、金山904m(鈴鹿)2005年9月24日 No.342 隊長

  庵座滝 飛沫を浴びて 見上げれば ほてる体に 心地よい風 

朝明有料駐車場(9:11)〜(10:01)庵座の滝(10:11)〜小休止〜(11:30)松尾尾根の頭(11:35)〜釈迦ガ岳山頂1092m(11:42)〜昼食休憩30分〜猫岳(12:40)〜13:30鳩峰羽鳥峰(13:35)〜(14:00)金山(14:05)〜中峠(14:25)〜あけぼの滝(14:52)〜林道出合(15:08)〜朝明有料駐車場(15:30)  累積標高900m 歩行距離9.5km

 この3連休は、表銀座で槍を往復するつもりだったが、台風が接近し梅雨前線が刺激されることが予測できたので、北アルプス行きを取りやめた。前日には2泊3日テント泊の準備が整い、玄関のザックは出発の準備を待っている状態であった。今年はアルプスにもう少し行きたいので、体力維持のために鈴鹿の山に出かけた。アルプスの代替えとなり、目的がトレーニングになったので、今ひとつ気乗りがせず、今朝になっても目的地が決まらなかった。秋の花を求めて、藤原御池あたりを彷徨おうかなとも思ったが、御在所あたりまで車を走らせているうちて、久しぶりに釈迦ガ岳に登ろうかということになった。朝明の有料駐車場を基点に周回ができ、コースの長短が途中からでも調整できる点が評価できる。
  朝明の有料駐車場に到着するやいなや、係のおじさんが駐車料金の500円を徴収にきた。有料であることは分かっているので、必ず支払うつもりだが、せめて窓口で自主的に支払うシステムにしてはどうだろうか。その方が気分がいいと思うのだが。・・・・

9時過ぎに出発する。キャンプ場を過ぎて谷筋に高度を上げていくが、展望もなく地味なコースなのでひたすら登る。最近は目印が少なくなってきているので、コースが乱れているが、基本的には谷コースなので、枝沢に入り込まない限り迷うことはないだろう。迷い込んでも谷が深いのですぐに戻ることになる。今回は準備不足で、目的がはっきりせず、ただ歩くだけの山行なので、もうひとつ気乗りしない。ひと汗流した頃に庵座の滝に到着した。この滝を見て、自然のすばらしさに心を刺激され、登高意欲が少し出てきたが、今回は肩肘張らずにのんびり歩くことにする。滝の下にはテンニンソウが群生していて、滝の脇役として使わせてもらった。ノコンギクを見ると秋の郷愁を感じるが、どうも今日は、滝の涼風ががまだまだ恋しい気候だ。


テンニンソウと庵座の滝


滝下の咲くノコンギク


庵座の滝

先ほど駐車場でわいわいやっていたグループがここまで来たようなので、喧噪を避けて、先に滝を離れる。この滝を巻くあたりが、コース中で気をつけなければならない箇所だ。山を始めた頃によく歩いたコースだが、年を重ねるごとに忘れてことが多く、特徴的な地形を思い出しながら歩くのも、頭の刺激になっておもしろい。確かこの前は、ヤマップの取材で来たときだったから、要所の撮影の構図しか考えていなかったなと、思い起こすとおかしくなってきた。人は随分身勝手な生き物で、同じコースを何度となく歩いても、それぞれ感じ方が違う。こうやって山行記を書いているが、歩くごとに感じ方が違うので、その都度、書きとめておきたくなる。きっと自然の中には、計り知れな魅了が隠されているからだろうか。

谷筋には所々でアケボノソウが見られる。花一輪の出合も、山歩きの楽しみのひとつなので、ピークを目指してひたすら登るのもいいが、それでけど横の広がりができる。途中で谷は二股になるので、右の本流に入る。右岸の岩場の急登をしのぐと鉄パイプの堰堤があり、これを越えると谷が極まり、松尾尾根の頭への急登りに備えてケルンで一休みする。谷を駆け上がる涼風が心地よい。休憩後谷を離れると、空身の女性が降りてきた。滝の所にザックが二つあり、お連れさんが一人そこにいたので、これで納得した。女は強い。


庵座谷のアケボノソウ

谷からは登りごたえがあり、手足を総動員して登るのも登山の醍醐味なのかもしれない。子供のころに帰ったような気分になり、がむしゃらに登り、松尾尾根の頭に立つ。いつ来てもいい場所だ。すこしガスっぽくなってきて遠望が効かないが、自分なりにはお気に入りのスポットだ。あまり時間がないので山頂の三角点に向かう。羽鳥峰への分岐から少しの所に山頂があるが、途中で大きなニシキヘビと出会い飛び上がる。それ以後、長いものは全部蛇に見えてくるから、自分自身余程の蛇嫌いなのだろう。特に日当たりの良いところは要注意だ。案の定今度は、大きなマムシが道の真ん中にとぐろを巻いていて、動く気配がない。ニシキヘビやヤマカガシハ突然動き出すので存在をいち早く察知できるが、むしろ動こうとしないマムシの方が危険だ。ここまで稜線を闊歩してきたが、ここに来てスピードダウン。慎重に行く手を確かめないといけなくなった。


釈迦ヶ岳山頂の三角点

山頂のどこを見ても山名板がない。足元を見ると焼けこげた山名板があろう焼けこげた板が転がっていた。人の仕業あることは確かだろうが、なぜこうしたのだろうか。その代わりではないが、羽鳥峰分岐には真新しい案内板が設置されていた。歩きなれた人には必要ないかもしれないが、初めて歩く人にとっては頼れる存在だ。


焼かれた山名プレート


羽鳥峰分岐 新しくできた案内板


猫岳

猫岳の手前でちょうどいい時間になったので昼食にする。分岐にひと組のご夫婦がゆっくりと昼食をとっていた。滝に所で追いついてきた数人のグループは、まだ上がってきていないようだ。御在所のような賑わいはこの山にはない。日帰り山行ならおにぎりかあんパンをほおばるだけで十分なのだが、携帯コンロでひと手間かけると楽しみが増える。本日のメニューは日清焼きそばとスープカリー。キャベツをドッサリと入れるとなかなかのものだ。30分ほど休憩し、稜線歩きを続ける。約50分で羽鳥峰に到着。誰にも会わなかった。


稜線からみる大陰のガレ


羽鳥峰峠

峠ではご夫婦が休憩をしていた。紅葉の季節になればもう少し登山者も増えるだろうが、それでも静かな山域であることに変わりはないだろう。そのまま羽鳥峰を通過し中峠に向かう。このあたり若干の起伏があるが、これからの時間帯が大切なところだ。行動時間がすでに4時間を過ぎているが、少し足に疲れが出だした所からのアップダウンをどう歩くかが課題だ。猫岳からは下る一方だったが、羽鳥峰からは再び高度を上げ始め、金山にいたる。以前は山頂が藪の中だったが、綺麗に笹が切り払われていて釈迦ヶ岳へ続く稜線がよく見えるようになっている。紅葉時はよい撮影ポイントになりそうだ。


金山からの展望

金山を過ぎるとちょっとしたブナ林がある。鈴鹿の稜線も、もう少し標高があると、台高のようにブナ林が発達するだろうが、残念ながらブナは少ない。羽鳥峰から約50分で中峠に到着した。ここまで来ると根の平峠までは近いが、さてどうするか。車がオイル交換の時期だし、中峠からのルートも記憶から消えているので、ここから降りることにする。


稜線のプナ


中峠


あけぼの滝

谷筋のコースで、一気に高度を下げていく。ぬれた石がよく滑るので要注意。40分ほどであけぼの滝まで降り、約15分で林道に戻ることができる。キャンプ場では何組かの家族連れや若者たちがキャンプを楽しんでいた。

 

2005_09_24