2005_08_2728 鹿島槍ケ、爺ケ岳(北アルプス) |
■鹿島槍ケ岳、爺ケ岳(北アルプス)2005年8月27,28日 No.339 隊長 冷池(つべたいけ) テントを張りて 眺めれば 明日まで待てぬ 槍の頂 ●8月27日 四日市IC(20:00)ー扇沢(柏原新道登山口)(00:00) 仕事が終わり、20:00に四日市IC駆け込んだ。睡眠時間を稼ぐために、出発点となる扇沢に少しでも早く到着したところだ。扇沢と言えば、立山黒部アルペンルートの長野県側の玄関口にあたるため、アプローチが大変よいので約4時間で扇沢にある柏原新道の登山口に車を着けることがきた。しかし登山口周辺の駐車場はほぼ満車状態だったが、何とか一台分のスペースをみつける。ゆっくりと車中泊ができるかは状況判断によるが、今回は選択の余地はなかった。
5時過ぎに目を覚まし、準備を整えて登山口に向かう。朝飯を食べるのを忘れたので、昨晩買ったコンビニおにぎりをほおばりながら歩く。少しだけ林道を歩くといきなり登りが始まる。ガイドブックによると、「モミジ坂急坂」と書いてある。モミジはあまり多くはなさそうだが、息が弾んで、今食べたおにぎりの収まりが悪い。飲みかけのペットボトルのお茶で流し込む。あれ、給水を忘れた。案内書によると稜線の種池小屋まで給水箇所はないらしい。スポーツ飲料を1リットル持っているので、これで大丈夫だろう。小屋までは標高差が1100m、所用時間は案愛書にもよるが、エアリアマップを参考にするならば、約3時間50分と書かれている。第一日目は冷池までだから、時間にはゆとりがある。
この柏原新道は、比較的新しい登山道らしい。柏原正泰氏が昭和42年に完成させた登山道らしい。下山時には、3代目の方だろうか、登山道を整備されてみえた。有り難いことである。樹林帯をゆく登山道だが、最初を尾根あるき途中から徐々に山腹道に変わっていく。標高的には樹林はコメツガのように思われる。徐々に高度を上げていくとシラビソ林になり、森林限界にくるとハイマツ帯に入って行くことになる。
今回はある程度荷物を整理したのと、1泊2日ということもあって、総重量は16.5キロ位に押さえることができた。まだまだ、軽量化をはかれると思うが、体力のあるうちは大丈夫だろう。体から汗が噴き出し、エンジン全開になったところで、ケルンに到着した。小さなケルンだが単調な樹林帯の登りにあって、ひとつの目安になっている。ここからは稜線の種池小屋を見ることができるようだが、ガスのために視界がない。ザックを下ろしひと息入れる。ここまでが1.7キロで、小屋まではあと4キロあるらしい。まだまだこれからだが、急坂で高度はある程度稼いでいる。要所には梯子がかけてあり、よく使われよく整備されている様子だ。
ケルンを過ぎると、また急坂で標高を100mほど稼ぎ、まだまだ続くかと身構える頃に徐々に勾配が緩み、少しペースを上げることができる。初めてのコースなのでペース配分に気を配る。早すぎると後半バテるし、ちんたらムードではモチベーションもあがらない。このあたりから山腹道になり、対岸の雪渓の残る稜線がガスに見え隠れし始めると、アルプスのムードが徐々に高まってくる。樹木があるので高度感が分からないが、崩壊地の通過で緊張感が高まる。樹林が途切れるところには、シモツケソウ、サラシナショウマ、ヤマハハコ、カライトソウなど、夏の草花が咲き残っている。
小屋周辺にはチングルマがたくさんあった。花の時季にはかなり期待できそうだ。その周辺ではよく見ると小さなミヤマリンドウの紫色が目についた。花を見ている間にもガスがかかってきたので、そこそこに休憩を切り上げて爺ケ岳山頂を目指す。それほどきつくもない傾斜で、ガスに見え隠れする剱方面を振り帰りながら徐々に高度を上げていく。
ほどなくして爺ケ岳南峰に到着する。相変わらずガスが多いが、青空もあり、変化があって展望を楽しんでいても飽きない。ここからは今晩の宿となる冷池(つべたいけ)のキャンプ場がよく見えている。この分だとキャンプ場には早く到着できそうだが、鹿島槍の往復は今日にするか明日にするか迷うところだ。今頃じんじんさんたちは、どのあたりの歩いているのだろうかと、針ノ木岳を見るが、超望遠レンズでもなければ無理だ。しばらく展望を楽しみ爺ケ岳中央峰へ向かう。
中央峰はトラバース道があり、立ち寄るかどうか悩んだ末、帰りに寄ることにする。この時点で、鹿島槍へは今日往復することに半分心が決まる。となれば先を急がねばならない。せっかく稼いだ標高を300m捨てるのは忍びないが、登山道は稜線の最低鞍部めざして緩やかに下っていく。鹿島槍の標高は約2900mだから、登り返しが約600m近くあることを考えると、まだまだ気が許せない。グングンと高度を落として、赤岩尾根分岐に到着する。ハイマツ帯からまたまた少しだけ樹林帯に入る。
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