最新情報  レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

2005_06_05 大台が原(台高) ページ1

 

大台ヶ原2005年6月5日No.328

毎年、必ず行きたい山ではあるが、取材やら天候の具合やらで、3年ぶりになってしまった。前回も梅雨入り前の晴天であったが、今回も天候には恵まれ、花にも恵まれ、思い出に残る大台ヶ原となった。シャクナゲの花は殆ど終わっていたが、シロヤシオとアケボノツツジの競演は、鈴鹿では見られない取り合わせであった。

ページ1 ページ2

 道路事情もよくなり車で走りやすくなったとはいえ、鈴鹿から紀伊半島の最深部までは思った以上の時間がかかる。名阪国道を針ICまで走り国道369号線にスイッチし途中で国道370号線から169号線に乗り換えてひたすら南下する。新祖母峰トンネル手前で大台ヶ原ドライブウェイに入る。自宅からここまで、約2時間半かかっている。大台ヶ原ドライブウェイは総延長18キロほどあり、くねくねと曲がっているので結構時間がかかる。昨年の豪雨の傷跡が所々に見られ、片側交互通行になっているところや、路肩通行注意が見られるものの、問題なく終点まで走ることができた。
 名阪国道に入ると雨が降り出していたが、大台ヶ原ドライブウェイに入ると雨がやみと時折太陽がのぞく天気になってきた。天気予報では晴れになっているが、日本一の多雨地帯なので楽観はできない。大峰山系方面は雲がかかり全容がつかめないが、ドライブウェイを進むにつれて天候が良くなってきている。前回もまれに見る好天に恵まれたことを思い出す。
 8時過ぎにドライブウェイ終点の駐車場に到着した。コンビニで買い出しに立ち寄っただけだが、約3時間のドライブだった。駐車場はまだ朝が早いので半分ほど空きがあった。標高が1500mを越えているので気温は10度で、Tシャツでは肌寒さを感じる。

 早速準備を済ませ、朝のすがすがしい空気の中を歩き出す。トウヒ、ウラジロモミ、ブナ、ミズナラ、オオイタヤメイゲツなどが生い茂る樹林のなかの歩道を日出が丘まで歩く。所々に枯死木が見られるが、まだこのあたりは大丈夫のようだ。シロヤシオが所々にあるが、まだつぼみがふくらんでいる程度であるが、日当たりの良い場所では花を開いていた。
 階段を上がり山頂に立つ。丸太でできた櫓が目に入る。確かこの前に来たときはなかったかな。少しは遅咲きのシャクナゲを期待していたが、すでに花は終わり、落花した花びらの多さに繚乱の痕跡を見る。雲が湧き熊野灘までの遠望はなかったが、澄んだ空気に台地が包まれていて透明度が高く、木々の新緑がくっきりと浮かび上がって見える。中でもオオイタヤメイゲツの新緑は眩しく、背景の青空に負けないほどの存在感がある。

 シャクナゲ坂を少しでも下りてみようかとも思ったが、すでに残った花はないと判断し、目当てをアケボノツツジに切り替えて尾鷲辻をめざす。
 正木が原はやはり青空が似合う。林床の笹の緑色、枯死木の白色、それに青空が作り出す、普段は見られない正木が原特有の造形は、カメラマンにとって絶好のモチーフとなっている。中盤カメラを携えた写真家が熱心に撮影をしていた。トウヒの倒木はいつかは朽ち果てるだろうが、これからの植生はどうなるだろうか。原因は酸性雨だの温暖化だの鹿の食害などが考えられているようだが、いずれにしろ人間による環境破壊につながっているようだ。シロヤシオは木道周辺でも普通に見られるが、少し離れたところでアケボノツツジの紅色が目を引いている。アケボノツツジは大蛇ぐらの辺りに多いので、期待が膨らむ。

 正木が原までは、シロヤシオもつぼみの木が多かったが、坂を下りると開花した木が多くなってきた。標高はほぼ同じだが、少しの環境の変化が開花に現れているようだ。
大蛇ぐらまでは平坦は山道が続く。シロヤシオの花の多さに圧倒され何度も立ち止まってはファインダーを覗く。

ページ1 ページ2

 

2005_06_05 ページ1