歩人倶楽部  最新情報 レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

2004_12_30 御在所岳・三国岳

 

御在所岳・国見岳2004年12月30日 N0.300 隊長

蒼滝駐車場(8:30)〜中道〜(12:10)朝暘台(12:40)〜国見峠〜国見岳(13:40)〜国見尾根〜直登道〜藤内木屋〜蒼滝駐車場(16:20)

年末の慌ただしいこの時期、ラッセルをしながら国見尾根を歩いているのは我一人なり。膝を越す積雪に難渋しながら国見尾根を降りた。雪のため、予想外に時間を消費したが、制限時間内に下山できてほっとした。年末最後の登山は、殆どが藤原に登っているが、今年は御在所に登ってみた。本年度の締めくくりにふさわしい、手応えのある山行となった。

前線が通過したようだ。外は荒れ模様だ。明日は久しぶりに冬山が満喫でそうだ。冬山三点セット(スパッツ、アイゼン、ピッケル)を準備する。積雪は多くても膝くらいまでだと思われるので、スノーシューはいらない。朝の目覚まし時計で、冬山モードに入る。本年度最後のテーマは、冬の三つの滝(蒼滝、潜間の滝、百間滝)の撮影だ。4WDの実力を確かめながら、蒼滝の駐車所に車を着ける。タイヤが新雪を踏む音がやけに新鮮に感じる。車は一台も泊まっていなかった。雪は厄介な存在だが、子供のように心弾んで戯れてしまう。


蒼滝

まずは蒼滝だ。年に1,2回は見ているが、雪の蒼滝もいい。じっくりと三脚を据えて撮ればいいのだが、それは老後の楽しみとして、素早く10枚ほど撮影して先を急ぐ。階段を上がり温泉街に降り車道を歩いてスカイラインの中道登山口まで進む。スカイラインは昨日からの降雪で白くなっていた。登山者も少なく、前後して3人ほどだった。山頂を見上げるとガスがかかって真っ白だ。ただ足早に流れる雲の間だから時折青空が覗くので、少しは期待していいだろう。登山道は入口から雪道となった。新雪でまだ固まっていなく、アイゼンを着ける必要もなく気持ちよく歩ける。


負ばれ岩

負ばれ岩あたりで10センチほどの積雪だ。昨夜から準備しておいたスパッツを玄関に忘れてきたので、積雪の量が気になっている。20センチ以上になると靴の中に雪がはいるので、何らかの対策が必要になる。細引きでズボンの裾を縛るという手があるのだが。

登るにつれて積雪が増してきた。トレースがあるので楽に歩けるが、岩があるとスリップするのでアイゼンが欲しい。行けるところまでアイゼンを着けずに進む。岩場に立つのガスがとれて山頂付近まで見通しが利くようになり、このときがチャンスとシャッターをきる。


地蔵岩

岩峰帯でアイゼンを着ける。カジタの12本だが、どうも自分の靴にマッチしない。最後の一踏ん張りで山上公園に出た。ガスで何も見えない。ロープウェーは運転されているようだが、観光客は殆どいない。屋根の中で昼食にする。本日は野菜たっぷりのカレーうどんに、お餅を2個入れてみた。なかなかいける。気温はマイナス4度。さすがにじっとしていると冷え込んでくる。昼食中ストーブはつけっぱなしにしておいた。この時期になるとガソリンストーブが頼もしい。いくら気温が下がっても、いつもの力を出してくれる。それに残量を気にせずに済むことだ。使った分だけ補給すればいい。

さて、全くガスが晴れてこない。百間滝の撮影のために、久しぶりに新道を降りようと思ったが、尾根から望遠で狙う距離にあるので、このままの状態だと撮影が難しい。それですぐに計画を変更する。単独の場合、すぐに機転が利くのが利点でもある。若干心残りでもあるが、歩き出せば頭の中は次の目標に切り替わる。国見峠まではトレースがあるので楽に降りることができた。問題はここからだ。単独の登山者のトレースがある。それに助けられて国見を目指す。岩場に登りつくとガスがとれてきた。しばしの撮影タイムとなった。カメラのリチュームイオン電池の低温下での能力ダウンもなさそうだ。青空がほしいが贅沢は言えない。


国見への途中の岩場から御在所岳

13時40分、国見の山頂に到着した。岩の上に上がると、雲が多いものの何とか展望が確保できた。雲の間だから指す日の光にタイミングを合わせシャッターを切る。まだ雪の量の少なく青空もないので中途半端ば写真だ。しばらく岩の上で風に吹かれていると寒くなってきた。そこそこに撮影を切り上げ、国見尾根を降りることにする。先ほど一人の登山者と出会ったので、国見から折り返したと思われる。とすると国見尾根にトレースがなさそうだ。しかし尾根道に入るとトレースはあった。積雪は膝近くまできている。揺らぎ岩までトレースに助けられて進む。しかしトレースはそこまでだった。先ほどの単独登山者はどうやらここから引き返したようだ。その先はうさぎの足跡がある。

さてここからが問題だ。積雪は50センチ以上はある。痩せ尾根の登山道は雪の中に隠れているので、慎重にルートをとらなくては行けない。ある程度固まっていればいいのだが、今雪が降り積もった状態なので、雪の下の岩や木の根っこに足を取られる。しばらく痩せ尾根が続くが一歩一歩慎重に踏み出す。時間がかかったがやっと鞍部まで降下した。そのまま直進し直登コースをたどる。痩せ尾根の急降下を慎重に下る。予想以上に時間がかかってしまったが、3時40分に藤内木屋に到着した。電気は消えていたが営業中の札がかかっていた。帰りに主人が大きな荷物を担いで木屋に帰ってきた。荷物の上にワインの瓶がくくりつけてあったのが印象的だった。

山のレポートを書き始めて第300号となった。ただ単に通過点に過ぎないが、年末最後の登山が区切りになったことは喜ばしいことだと自分で納得する。

2004_12_23