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2004_10_11三ノ峰(白山)

 

三ノ峰(白山)2004年10月11日 No.288 隊長

上小池駐車場930m(6:05)〜(7:25)六本檜(7:45)〜(8:20)剣ケ岩(8:30)〜避難木屋(9:40)〜三ノ峰2128m(9:55)〜別山2399mまでの途中〜(昼食)〜避難木屋(11:40)〜六本檜(13:38)〜登山口(14:25)〜駐車場(14:50)

日本海側の山は雨。三ノ峰はガスのかな。ガスの中を別山に向かったが、降り続く雨はやまず、視界は無し。気力がなくなり、途中で撤退。撮影のために30分ほどガスが採れて青空が顔を見せてくれた。せめてもの慰めか。

今回は、国道365号線を北上し関ヶ原ICで名神に乗り、北陸自動車道に乗り換えて福井ICで降りる。国道158号線を西に40分走り県道に入る。打波川に沿って約30分ほど走ると上小池に到着した。途中に鳩ケ湯(はとがゆ)という温泉がある。やはり4時間かかる。東海北陸道なら、もう少し時間短縮が可能だろう。


刈込池

 もう少し早く出て、刈込池をゆっくり散策する予定だったが、校正の仕事が入り、自宅を出たのが11:30になってしまった。しかし、日没までにはまだ時間があるので、駆け足で刈込池まで行くことにした。駐車場には小型バスが駐車してあり、駐車場手前で下山してきた十数人のグループとすれちがった。橋を渡り、650段の階段を登ると平坦地に出る。豊かなブナ林が広がっている。夕暮れ時なので熊でも出てきそうな雰囲気だ。誰もいないと思ったが、ご夫婦が池から戻ってきた。キャンプ指定地で一泊するらしい。大急ぎで登ってきたので、大汗をかいてしまった。思っていたよりも小さな池だ。ガスで山の上部は見えないし、紅葉にはまだ少し早いようだが、雰囲気のいい場所だ。ここの平坦地は、原の平と言われているようだ。ブナやトチノキ、カツラ、サワグルミの大木が林立している。刈込池自然研究路と呼ばれている。時間さえあればゆっくりと時間をかけて撮影したいと思った。

 夕闇の気配がそこまで来ているので急いで山を下りた。駐車場に戻ると車は2台になっていた。ゆっくりとビールを飲んで、夕食のインスタントカレーを食べる。シートを倒し横になるとすぐに眠ってしまったようだ。雨の音で目が覚める。まだ21時だ。断続的に雨が降っているようで、どうやらやみそうにない。大粒の雨が車の屋根を叩くので、何度も目が覚めるが、12時を過ぎると静かになってきた。時計のアラームで5:30に目が覚める。いつの暇には5台ほどの車が止まっていた。係の人が入山届けを手渡ししている。


六本檜からの眺め

準備を済ませ。6:05に駐車場をあとにした。林道を歩き、少し体が暖まった頃に登山口に到着した。入山するなり急登が始まった。体も一気に目覚め、息を切らせながら登る。駐車場にも登山口にも熊注意の看板がある。熊の密度は全国でも有数の地域なの山では熊が主役なのだ。人はお客様で、自然の流儀に従うというか、熊の平穏な生活はじゃましたくないが、出会い頭の鉢合わせだけは避けたい。クマ鈴を鳴らしながら登る。


六本檜から山頂方向

稜線の六本桧までは、ブナの二次林や杉の植林の中の急登が続く。一休み入れたくなる頃にやっと六本桧に到着した。左に進路をとれば杉峠から赤兎山(あかうさぎやま)へ右に進むと三の峰だ。刈込池のある原の平や打波川流域部、願教寺山(がんきょうじさん)が一望でき、樹間からはこれから向かう三の峰の続く稜線が見えているが、上部はガスで見えない。湿気をたっぷりと含んでいるが、気温が低く気持ちがいい。展望を楽しみながら地元の登山者と話しながら20分ほど休憩をしてしまった。


剣ガ岩

太平洋側は好天のようだが、日本海側の天候はよくないようだ。今にも降り出しそうな空を見上げ、別山まで行こうかどうか思案する。稜線の紅葉はまだ少し早いようだが、ブナ主体の尾根道は大変素晴らしい。随所で展望が開け、標高1600m付近からは林床が笹のダケカンバ林が広がっている。これもまだ紅葉には少し早いのかそれとも今年は紅葉が駄目なのかわからないが、立ち並ぶダケカンバの樹皮の白色がアクセントになり、絵になる構図が稜線の両側に広がっている。


オオアキギリ


稜線の登山道

稜線の起伏や展望の変化を楽しみながら登り続けると、正面に剣ガ岩の岩山が見えてきた。(刈込池に映るこの岩山には、白山で悪さをする1000匹の蛇の伝説があるそうだ)1700m付近の紅葉が見頃のようだ。この岩山を乗り越すといよいよ三の峰の本体が見えてくる。雲の間から青空が見え隠れし、時折日差しが出てきたが、長くは続かない。遠くに別山が見えている。この天気なら別山まで聞けそうだと三の峰の方を見上げると再びガスがかかってきた。おまけに雨が降り出してきたので笠をさす。これで山頂からの展望も怪しくなってきた。


ダケカンバ林


遠くに別山が

最後の急登で一気に2100mまで高度を上げる。ガスで何も見えない。避難木屋まではなだらかな道で。途中に硝子製のプレートの遭難碑があった。日帰りができる山ではあるが、2000mを越えているので、晩秋の天候の急変は遭難につながってしまうケースがある。笠をさしてガスの中を歩く。数分で避難小屋に到着した。ドアを開けて中をのぞくと大きな犬が土間につないであった。

 


三の峰山頂で

時計を見ると10時だ。別山を往復する時間は残っている。3時間で往復して下山すると16時だ。すべて計算通りだ。さてどうするか、このまま小屋に入ると長居をしてしまいそうなので、とりあえずは三の峰の山頂まで行くことにする。平坦な山頂に立っては見たがガスで何も見えない。雨もやみそうにない。

ひとときでも晴れてくれることを祈って、別山をめざして歩き始める。しかし、ガスと雨は全く改善の見込みがなさそうだ。30分ほど歩きお腹がすいたので灌木にツェルトをかけて屋根を作って昼食にする。展望のよい稜線での昼食は、山歩きの楽しみのひとつでもあるが、ガスと雨の中では趣も半分以下だ。ただお腹がすいていたので、ネギたっぷりのラーメンはうまかった。すぐにツェルトをたたみ再び歩き出すが、状況は全く変わっていない。別山はこれまでにも2度ほど山頂を踏んでいるのでピーク半途には興味がない。白山へ続く稜線の秋の展望を見てみたかったが、その望みは叶いそうもなさそうだ。もうすでに鞍部まで降下しているが、気力も萎えてきたので引き返すことにした。雨の中を笠をさして三の峰まで戻った。まだ時間にゆとりがあるので、山頂でしばらくガスが晴れるのを待つ。湿った空気が山にぶつかり雲が連続して生成されているようだ。仕方なく小屋までもどる。別山を往復してきたご夫婦が昼食をとっていた。晴れてくれるかも知れないという、淡い期待を残して小屋を後にした。


ハクシャクナゲがたくさんつぼみを付けていた。来年がたのしみだ


三の峰避難木屋


咲き残りのマツムシソウ


大きなツルリンドウの実


オヤマノリンドウ

 

2004_09_20 藤原岳 鈴鹿