歩人倶楽部  最新情報 レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

2004_07_0304 弥山、八経カ岳

 

弥山、八経ケ岳(大峰)2004年7月3、4日 No.275 隊長、うさぎ

花好きにとってこの時期は、やはり弥山のオオヤマレンゲでしょう。今回はのんびりと歩いてみたかったので、テント山行にした。これから秋にかけてテントを担ぐことが多くなるので、リハビリと訓練を兼ねて、二日分の水も入れて20キロとした。稜線のブナ、ミズナラ、イタヤメイゲツからなる原生林を時間をかけて歩くのも趣がある。花はあまり多くはないが、ショウキランやバイケイソウが彩りを添えてくれる。また、山頂付近にはトウヒ、シラビソが自生し亜高山帯の森林の雰囲気が感じられる。

ページ2へ

2年ぶりの弥山だ。前回は終日雨に降られたが、オオヤマレンゲは良く咲いていてくれた記憶がある。今年は雨ならやめようと思っていたが、梅雨らしくない天候が功を奏し、好天に恵まれラッキーな山行ができた。例年この時期は梅雨も終盤にさしかかり、オオヤマレンゲが花を開く時期と週末と好天が重なったときがチャンスだと思っている。取材も終わり、ささやかな慰労を兼ねて、テントを担いで贅沢な山歩きを楽しんでみた。

この前の台風の災害で通行止めの情報が気になり熊野土木事務所に国道の状況を確認した。行者還トンネルが普通の時は天川村から入っていたが、道路の状況がかなり良くなった169号線を南下した方がアプローチはスムーズだ。長いトンネルがいくつもでき、信号もなく快適にドライブできる。国道169号線の天ケ瀬から行者還林道(国道309号線)でトンネル西口の登山口を目指す。対向車は1,2台しかなく、山奥へ入っていくと心細くなるが、トンネルに到着すると路肩駐車の車がずらりと並んでいる。しかも小型の観光バスが登山者の帰りを待っている有様だ。今まではシーズンとはいえ、これほどではなかったが、世界遺産登録が影響しているのだろう。昼前なので朝の早い人や、弥山木屋泊の人は下山する時刻でもあるので、運良く一台の車が出てくれたのでそこに駐車できた。


登山口は登山者の車で溢れていた


登山口から谷の右岸を進み、木製の橋を渡ると急登が始まる。登山口の標高は1000mあり、稜線までの標高差600mを一気に登る。この標高はブナ、ミズナラ、ヒメシャラがよく育つ高さなので、古木がたくさん見られるが、急勾配の登りなので目は足下見つめたままひたすら耐える。水の確保のために、狼平泊も考えたが、テント山行シーズンに備えた訓練のために20キロの重さにして、無給水で歩くことにした。二人分の水は着実に消費していくので、どんどん軽くなるはずだが、この登りはやはりきつい。笠ヶ岳や常念の登りに比べれば、たった600mだと言い聞かして登る。


稜線でひと休み

 稜線ではさわやかな風が吹き抜けていく。ヒートアップした体には何よりのご褒美だ。シロヤシオの老木にもたれて小休止。これから山頂までは、素晴らしいブナ、オオイタヤメイゲツ、ミズナラ、ヒメシャラ、シロヤシオの自然林が続く。もうひとつ目的の花がある。ショウキランはこの山に限るわけでもないが、数が少ない花なのでこの機会に是非とも見ておきたい花のひとつだ。


大峰、稜線上の山々 大普賢岳

2年目も弁天の森を過ぎたあたりにあったので、今年もあのあたりにと思って歩いていると、先客が撮影モードに入っていた。後ろに立って順番待ちをしていると、なんとGETsさん、みさちんさんご一行だった。掲示板で有るだろうとは思っていたが、まさか花の所で出会えるとは思わなかった。


GETsさん提供の集合写真を拝借、事後承諾を

■ショウキラン ラン科 

和名は、鐘馗欄(しょうきらん)で、悪鬼を退治する鐘馗をなぜこの花の名にしたかは不明とある(牧野 新日本植物図鑑)深山の木陰、とくにネマガリタケ等の間に生える多年生無葉欄。
茎:根茎は地中をはい鱗片と短毛があって淡黄褐色。茎は直立し高さ10〜20センチ。
花:茎の咲きに少数の花をまばらにつける


弁天の森を過ぎると、弥山方面が開けているところがある。山容を撮影しようと光の加減を伺ったが、絵にならず。

ここのバイケイソウは良く育っていて花も大きい。聖宝の宿跡で一休みに、これからの山腹の急登に備える。登山道は木星の階段道になっているので歩きやすい。一歩一歩階段の高さ分、確実の高度を稼ぐ感じで登っていく。一休みすると足がだるくなるが、少し歩くと元に戻る。階段道でふと前を見ると旅人さんが降りてきた。おおおーー! 鈴ハイ軍団だ。panaちゃんとウサギが手をつないで再開を喜ぶ。これで知った人に出会うのは2組目だ。年に1,2度はこんなことがあるが、まさか弥山で出会えるとは思わなかった。

山頂手前の尾根からの展望がよかった。透明度はそれほど高くはないが大台の山々の輪郭が確認できる。シラビソが現れだすともうすぐ山頂だ。鉄梯子を登ると山小屋の発電機の音が聞こえてくる。小屋前の木星ベンチテーブルにザックを置いて、テント場の受付に木屋に入る。木屋に入ったのは初めだったが、新しくてきれいな木屋だ。ご主人が忙しそうに夕食の準備をしていた。二人分料金1000円を支払い、テント場に向かう。すでに5張のテントが設営されていたが、スペースは十分にある。こけの生える所なので多少の湿気はあるが地面は柔らかくて寝心地が良さそうだ。テントを設営しまずはオオヤマレンゲを見に行くことにする。山頂周辺はトウヒの倒木が目立っている。原因は色々と有るみたいだが、大台ヶ原のように白骨林化が進んでいるようだ。

ページ2へ

 

2004_07_0304