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2004_05_15 三峰山(飯高)

 

三峰山(飯高)2004年5月15日No.269 隊長、うさぎ、Nさん

シロヤシオ目当てに三峰山に登った。山頂はガスの中で、予定していた撮影はできず。それ以前に花がないのが問題。昨年は花の付きがあまりにも良かったので、心配はしていたが、予想通りの不作に改めて落胆する。ゆりわれコースを上がり、新道コースを早足で降りてきた。

ゆりわれ登山口(8:05)〜ゆりわれ(9:05)〜八丁平(9:29)〜山頂(9:34)〜不動滝コース分岐(9:50)〜(10:24)新道峠(11:21)〜月出登山口(12:04)〜ゆりわれ登山口(12:34)

ゆりわれコースは、比較的新しい登山コースだ。登山のために新しく切り開かれて作られた登山コースらいい。登山口の案内には、「平成13年度電源立地特別交付金事業」と書かれている。登山コースとこの事業はどのような関係なのかはわからないが、いい位置に登山道が造られたと思う。道幅もあり、ゆりわれまでの行程の半分はブナ、ヒメシャラ、ミズナラ、アセビなどの森の中を歩かせてくれる。と書くと、自然破壊だと言われそうだが、山頂までは最短距離で登ることのできるコースでもあり、子供や老人に優しいコースだと思う。三重県側からは、林道を利用すると、このコースを含めて3コースあるが、他の2コースは大部分が植林帯を歩くので、最近作られたこのコースが脚光を浴びるようになってきたと思う。


ゆりわれ登山口

登山口には、林業者の作業場に使う広い空き地が2カ所ある。もちろん林業者の作業の邪魔にならないように駐車させてもらう。この日は朝から、木材のトラックへの積み込み作業を行っていた。

国道から見上げると、三峰山の山頂部分はガスに隠れて見えなかった。前線が近くに停滞しており、天候が良くないことが予測されたが、山頂を見上げると少しずつ気力が失せていきそうだ。昨年末から3度通ったが、樹氷に巡り会えず、春のシロヤシオに期待していたが、花の咲き具合以前の問題を突きつけられたようだ。登山口が近づくにつれて、ワイパーのスイッチを入れる始末だ。それで、花の撮影はあきらめて、コースのトレースと草木の花の位置の取材に切り替える。目的が定まったので、カッパを着込んでガスの中に突入した。


チゴユリ

植林帯を抜けると雑木林の明るいコースになるが、ガスと風で展望はなく、足下の花の撮影もままならない。こんな時は花でも探しながら歩くに限るが、この時期に花を咲かせているのはチゴユリくらいだが、ササユリの2,3年目の苗が多い。カタクリと同じで、1枚の葉の時代が何年か続き、5年以上たたないと花を咲かせない。このササユリも里山環境で良く育つ花なので、落ち人手が入り、落ち葉などをかくと良く育つようになる。人間との共生といってもいいのかもしれない。新しい登山道が開かれ、若い葉が出てきたことが予想される。キンランでも、人為的に里山の環境を作ってやると、どんどんんと増えてくる。


ブナ

ブナやミズナラの木が見られ始めると、臨床にはトリカブトやバイケイソウが目立つようになる。左手にサルスベリや植林カラマツが現れると、八丁平らから伸びる尾根の端に登り着く。ゆりわれと呼ばれるところだ。ここからは、ヤマツツジやシロヤシオが多くなる。ヤマツツジは花をつけてる木が多く見られたが、シロヤシオの方はほとんど花をつけていないようだ。花をつけている木とつけていない木がはっきりと別れている。おそらく昨年休んだ木が花をつけているのだろうか。


ヤマトリカブトとバイケイソウ

花が多かったのは、ゆりわれから八丁平まで。期待していた八丁平からの撮影はガスのために断念する。八丁平を素通りして山頂に向かうが花の着いているシロヤシオの少なさに落胆の色を隠せない。人気の高い山岳なので、誰かが居るだろうと思ったが、予想に反して登山者の姿はなかった。時計を見るとまだ10時前だ。昼食にはまだ早いので、稜線を新道峠に向かう。このあたりはシロヤシオの宝庫だが、どの木にも花はついていない。ガスの中をひたすら峠を目指して歩く。


シロヤシオ


ヤマツツジ


ゆりわれから八丁平へ


ヤマツツジ


シロヤシオ


山頂

新道峠に向かう途中で、タニギキョウの群落を見つけた。白い小さな花なので見落としがちだが、よく見ると花の作りがヤマハコベとは明らかに違う。光量不足でおまけに風があり、撮影にとまどる。稜線は、植林が多少食い込んできているものの、ブナ、ヒメシャラ、ミズナラ、アセビなどの自然林が続き、気持ちよく歩ける。


タニギキョウ

峠に到着し、風とガスを避けるためにツェルトを張る。花と展望に恵まれなかった山行だけに、昼食時だけはゆっくりといい環境で過ごしたい。4人用のツェルトなので、ゆとりのある空間だ。ツェルトの黄色は目立つ色なのでいいと思うが、虫が寄ってくるのが欠点だ。道具は使ってこそ生きる、というとちょと大袈裟だが、普段の装備を改めの考えさせられる。

昼食が終わり、一気に林道まで下山した。ガクウツギ、マルバウツギ、ヤブウツギ、モチツツジ(ネバツツジ)が花盛りだ。月出の登山口には、ガクウツギの甘ったるい香りが漂っていた。


ガクウツギ


マルバウツギ

帰りに中央構造線の露頭が見られる所に立ち寄り、地層の裂け目を見て感動するあたりは、理科の教師の証である。


中央構造線

 

2004_5_15