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高畑山(鈴鹿)2004年3月28日

 

高畑山(鈴鹿)2004年3月28日(日)No.260 隊長

旧国道1号線高架下林道分岐に駐車(10:04)〜鈴鹿峠分岐(10:30)〜ナイフエッジ(11:33)〜(12:09)山頂773.3m(13:08)〜溝干山770m(13:42)〜坂下峠(13:57)〜駐車地(14:35)

観光バスで押しかける山は、藤原岳だけかと思ったら、鈴鹿南部の名も知れぬ山にまで団体の登山者がやってきた。ツアーの対象になる山か?と疑問に思うが、低山といえども、そこそこ手応えのある山である。

前回は梅雨空けのころだったろうか。山頂での突然の雷雨に、ラーメンの鍋を抱えて、林の中に逃げ込んだ記憶がある。例年ならこの時期に、花の咲く山に行っているはずだが、今年はお役目があるので、がまんがまんの山行だ。今回は周回コースを探ることにした。帰りの林道歩きが約40分だから、まあまあ許せる範囲だろう。マイカーの場合は、駐車地点が気になるところだが、鈴鹿峠手前で旧国道1号線に入り、林道入り口あたりまで進む。ここに入り込んでくる車はほとんど無く、高架下のPのあたりや林道の周辺に駐車ができる。駐車禁止の標識がそのままのこっているが、いまでも効力があるのだろうか。しかし高架下のP周辺にはゴミが散乱していて、落下物によるゴミなら駐車には注意が必要だ。心配なら、林道を少し入った所の路肩に駐車するといい。旧国道を関へ降りる方向の国道まで下り、国道を横切って歩道に入る。ここから峠に向かって登り、トンネルの手前で車道を横切って東海自然歩道に入る。ここは通行量が多いので、横断に中止すべし!


鏡岩

 ちょっと鏡岩に立ち寄る。説明にあるような、岩の表面に旅人が写るほどのことはないが、山賊がここから旅人を狙っていたのかな。本当によく見える。お金も持っていそうな旅人が来たら、ここから仲間に合図をしたのだろうか。
 さてここからは、急な登りが続く。何度登っても登りはしんどい。こんな時はいつも、テント山行の装備を背負った、アルプスの急登を思い出す。しかし苦しみは再現ができないようで、のど元過ぎればなんとかというけれど、実に人間は良くできた生き物だと感心する。苦しみが再現できたら、山なんか登っていられないと思うが、また登ろうと思うのは苦しみを忘れるからだろうか。テレビに出演する猿は、反省もできるだろうが、山屋さんは反省ができないのだ。そしてまた来週も急登に喘ぐことになる

 急登をしのぎ、稜線に乗ると自然林に包まれた緩やかなコースになる。アセビ、イヌツゲ、リョウブが主役のようで、ツツジ系とシロヤシオが少し確認できた。春が楽しみだが、今年の5月はもう来られないかもしれない。途中で展望が開けるが、山頂でのお楽しみにして先に進む。まもなくナイフエッジにさしかかる。「ナイフエッジ」!すごい所に来たな!と誰もが思うだろう。アルプスのピラミダルな山稜と比較するちょっと物足りないが、突然に現れるガレ場に、ワクワクドキドキする気持ちを忘れるべからず!  

 


ナイフエッジから


ナイフエッジ

ナイフエッジを過ぎ、2つほどのピークを乗り越すといよいよ山頂だ。標高が700m位の山だから、山頂までの所要時間が1時間半は平均的なタイムだ。男性二人と、家族連れのおかあさんが、楽しそうに山談義をしていた。父と子は、溝干山まで行ったらしい。男性の二人組は、お酒も入り絶好調である。私も便乗したいくらいだが、取材があるので雰囲気だけでもと、ここで昼食にした。ご覧のように狭い山頂からは、360度の展望があり、眼下には滋賀県甲賀町を遠くには鈴鹿の山々を見渡すことができる。ここでお会いした3名の方にはモデルをお願いした。お昼はスープスパでも作ろうとたくさん野菜を持ってきた。のは良かったが、昨日買っておいたベーコンを忘れてきた。最近は忘れ物が多く、いつも反省しているが、一向に改まらないのは、中年のおじさんの証明だろう。仕方なく超メルシーなスープスパを食すこととなった。


高畑山山頂

前回は雷雨に追われて山頂をラーメンの鍋を抱えて駆け下りたがので、今回はいつまで山頂で長居したいところだ。しかし何事にも頃合いというものがあり、もう少し居たいなと思う頃が去り時かもしれない。常緑のカシ類やアセビ、イヌツゲが混ざる自然林の尾根は、鈴鹿北部とは違った雰囲気を醸し出している。イヌブナが多いのもこの尾根の特徴かな。イヌブナは、ブナよりも少し標高の低いところで、太平洋側の乾燥した山地に多いそうだし、樹皮も黒っぽいのが特徴だから、たぶん間違いはないと思う。それから溝干の少し手前には、シャクナゲが少しまとまってあるところがあり、5月には花が期待できそうだ。


山頂から鈴鹿北部 左から綿向、雨乞、御在所


イヌブナが多い

 


山頂から溝干山に向かう鈴鹿南部主稜線

溝干山は灌木の中にあるため樹幹からの展望が少しある程度だ。少し坂下峠側に下ると双耳峰のような高畑山を見ることができる。そのまま坂下峠へと下る。ガレ場をよけるように樹林帯を降下する。鈴鹿山脈は南部ほど風化や浸食が激しいのは、標高とも関係するのだろうか。坂下峠は車の通行ができない状態だ。


溝干山付近から見る高畑山


坂下峠

 坂下峠からは林道を下る。少し下るとアスファルト舗装になり、車ならここまで入ることができる。今日はこの山を、団体さんが歩かれたそうだが、鈴鹿北部の喧噪と比べると、なんと静かな山だろう。


万人講常夜灯

 

2004_03_28