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子ノ泊山(熊野)2004年3月20日

 

子ノ泊山(熊野)2004年3月20日(土)No.257 隊長、うさぎ

浅里登山口〜山頂〜尾根登山口〜林道歩き〜浅里登山口

アルプスへ行くわけではないが、朝の4時に起きて4時半に自宅を出た。今日は山にいる時間よりも、車の中にいる時間の方が長くなった。出がけにリセットしたトリップメータは、400kmを越えている。つくばから帰るのに600kmほど走ったから、100kmの単位には驚かないが、登山を含めての日帰り400kmは、少々こたえた。勝浦あたりで一泊を考えていたが、貧乏人に暇がないのは、昨日、今日に始まったことでもない。走れや走れ!登れや登れ!の一日はあっという間に過ぎていった。欲を言えば、もう少し天気に恵まれたかったなーーー!

 熊野市に入ると、国道は海岸沿いを走るので、車を止めれば熊野灘を一望できる。鈴鹿や台高は、いつものことなので道中のことなど気にもとめないが、1年ぶりに見る熊野灘が気になり、まだ赤みが残る水平線がきれいなので、海岸まで降りてみた。ここまで来れば目的地の浅里登山口は時間が計算できる射程距離に入っている。子ノ泊山への登山道はいくつかあるようなので、色々と調べてみたが、結果としては浅里からの入山に落きそうだ。


熊野灘の朝


飛雪の滝

 あまりのんびりとはしていられないが、まずは飛雪に立ち寄った。このあたりは、熊野川や随所で見られる滝など、水辺の風景が実にすばらしいところだ。飛雪の滝周辺は、東屋、炊事場、トイレなどの施設が整備されていて、時間にゆとりがあるなら、ベースキャンプ型の山行が楽しめる。浅里登山口は、村から林道を上がったところにある。今は廃校になった、浅里分校の近くに林道の入り口があり、子ノ泊山登山口の指導標があるので、迷うことはないだろう。車で5分も林道を上がると、橋の手前で林道から作業道に入った所に、子ノ泊山浅里登山口がある。特に決められた駐車地はないが、邪魔にならないように路肩に駐車する。

 

 準備を済ませ、谷沿いの登山口から入山する。最初は、植林帯の右岸を少しだけ進むと、左岸の谷コースに変わる。沢の転石を拾いながら谷を進む。苔むした岩が多いので、特に雨の後などは滑るので注意が必要だ。鈴鹿で鍛えてあるが、沢といえばヤマヒルのことが頭に浮かぶが、さてここの谷はどうだろうか。夏場に登る予定はないので、あまり気にはならないが、夏場に登られたかたの情報をお待ちしております。よろしく。話は本題に戻し、谷から再び右岸のコースに戻ると、土砂で埋まりかけた明るい河原に出る。椿に赤い花がよく目につく所だ。初めてのコースはどうしても目印テープを頼る習性があるので、どうしても椿の赤い花に目がいってしまう。しかし、今回は二度目のコースなので、ゆとりをもって休憩時間を入れる。左手に巨大な岩壁が見えてくると滝は近い。随分と立派な滝だが、どうやら名前が無いようだ。

 滝の所で少しばかり休憩を入れて、30分の急登に備える。この滝を右から巻く急登は、池木屋の高滝の高巻を思わせる。高滝の巻道と比べると、樹木が多い分、恐怖感は和らいでいる。滑り落ちたら木に掴まればいいだろうという安心感があるからだろうが、おそらく木をつかんで落下を止めることはできないだろう。木の根っこや岩をつかんでぐいぐいと高度を上げていく。岩がもろいので、まずは疑うべし!立ち枯れの木も要注意だ。かなりくたびれた固定ロープが現れるとヤケグラの頭は近い。ヤケグラの痩せ尾根が故に大変展望がよい。熊野川を見下ろすことができるのも、この山の醍醐味のひとつだろう。三重県は北も南も一級河川が県境になっていることになる。そういえば2週間前は、多度山から木曽三川を見下ろし、今日は熊野まで来ている。こんな登山をする人は他にはいないだろうと思うと、おかしくなってきた。


ヤケグラの頭から眼下に流れる熊野川を見る

ここから山頂までは尾根コースになる。痩せ尾根の灌木帯を過ぎると、アセビやリョウブの林に入ると白い花がめについた。バイカバオウレンがあちらこちらで咲いている。この林道をのぞくコース中でこの時期に見られる花は、ヤブツバキとこのバイカオウレンくらいだ。岩しかないといっていたウサギも、花を見て少しほっとしたようだ。


ヤケグラからの痩せ尾根


尾根登山口分岐の指導標

 尾根登山口分岐まで来ると、多少なりとも尾根が広くなり、常緑のモミ、ツガ、カシの大木が立ち並んでいるために、稜線にもかかわらず薄暗い登山道となっている。鈴鹿の明るい落葉樹林とは対照的だ。尾根に沿って徐々に高度を上げ、ピークから南に張り出す尾根を過ぎると、突然地肌をむき出しにした作業道に出る。秘境の山だと思って登り、この作業道を見ると精神的なダメージは隠せないだろう。私は免疫があるので、広く受け入れることで、妥協点を見いだそうとしている。


紀伊半島の背骨を縦に見る 遠く左が大峰で右手が大台だ

 それで、手前が一族山だ。もぐらもちさん、取材がんばって下さい。変化を持たせるためには、林道歩きを余儀なくされます。しかし、林道というか作業道を使わないと、日帰り登山はできませんね。

つづく

 

2004_03_20