倶留尊山(室生)2003年9月17日
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■倶留尊山(室生) 2003年9月17日 N0.225 隊長 倶留尊山は、室生火山群の中心にある。東に大洞山や尼ケ岳、西に鎧岳、兜岳があり、九重山群を思わせる景観である。県境稜線の西側がは、ススキの草原で有名な曽爾高原である。山はそれぞれの季節の良さを持っているが、この山はススキの季節が旬であろう。時期をはずしたくなかったので、まだ残っている夏期休暇を使って出かけてみた。
じんじんさんの三峰山の報告にもあったが、この林道もやたらとハガクレツリフネが多い。図鑑で分布を見ると、本州(紀伊半島)、四国、九州とある。鈴鹿では見たことがないので、分布していないのだろうか。
単調な林道歩きだが、色々と花が出てくるので飽きることがない。花の終わったノブキが多い。ショウマがちらほらと目に入る。イヌショウマだろうか?鈴鹿にはヤマジノホトトギスが多いが、ここはヤマホトトギスばかりだ。峠が近づくにつれて、徐々に傾斜が増してきたのか、石段の道になってきた。気温は高いがさわやかな風が杉林を駆け抜けていく。峠の手前になると、木の階段道になり、域が切れだしたころに峠に到着した。アプローチからここまでとは全く違う世界が眼前に広がる。圧巻である。
小休止後、3台のカメラを駆使して撮影にかかる。何人かのハイカーが高原を歩いているのが一目瞭然である。ハイカーは多いが、登山者は殆どいないようだ。稜線を境に三重県側が植林帯で、奈良県側が草原になっている。明らかに人為的だ。草原も手入れをしないと現状は維持できないだろう。
登山道脇には花が多い。種類はわからないがアズマヤマアザミ?、ゲンノショウコ、オミナエシ、キリンソウ、カワラナデシコ、ハバヤマボクチ。このあたりは秋の常連であるが、キキョウ、マツムシソウとなると、ちょっと驚いてしまう。自然のキキョウなんて、探そうと思ってもなかなか見つからない。マツムシソウは高山の花だと思っていたが、ここで会えるとは思わなかった。
草原が見えなくなってしばらく樹林を進むと二本ボソの山小屋に着く。ここで入山料の500円を支払う。ついでにビールも仕入れる。帰りに半券がいるのでなくさないこと。
二本ボソは倶留尊山頂に比べて、大変展望がよく、撮影ポイントだ。先にも書いたが室生火山群の中心にあるので、ポジションとしては最高である。ごらんのように三重県側が急峻な地形になっている。どのような成因があるのかわからないが、鎧岳、兜岳についても同じことがいえる。ここから倶留尊山頂までは、距離的にはたいしたことないが、起伏があるので時間にして30分ほどかかるようだ。
鞍部からの登りは、岩場が多く傾斜もある。失った高度をぐいぐいと取り戻し、前方に空が見えだすと山頂は近い。山頂には先ほど亀山峠で出会ったご夫婦が見えた。曽爾高原にはたくさん人がいたが、山頂は閑散としている。あまり風通しが良くないが、木陰に入ると過ごしやすい。時間もあるので、昼食休憩に1時間ほどあてた。
2,3株ほどしか見かけなかったが、大柄な花なのでよく目立つ。今ではほとんど見かけなくなったので、見ることができて大変幸運な気持ちになった。 奈良県側のアプローチの調査のためにいったん下山して来るまで回り込み、古光山への登山道が横切る車道に車を置いて、亀山に向かった。少し靄がかかった状態で撮影コンディションは良くないが、曽爾高原の全容を見られる位置にある。 ススキの穂は出たばかりなので、これからが楽しみな山域である。
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2003_9_14 |