歩人倶楽部  最新情報  レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

藤原岳天狗岩テント泊2003年9月7日

home

藤原岳天狗岩テント泊(鈴鹿) 2003年9月13日、14日 N0.224 ハリマオさん、とっちゃん、隊長

 コグルミ谷登山口 〜 カタクリ峠 〜 真の谷 〜 白船峠 〜 冷川谷の頭 〜 天狗岩(テント泊) 〜 白船峠 〜 カタクリ峠 〜 コグルミ谷

 今回は十分日帰りできるコースだが、ちょっと時間を贅沢に使ってみた。山の上で一泊すれば、普段は見られない朝夕の山の素顔を垣間見ることができる。

 9時に藤原岳観光登山駐車に集合した。今回のメンバーは三人だ。台風接近で予定が立たず、間際になって好天の予報で急遽決行することになった。ハリマオさんととっちゃんは用事があって早朝下山のため、私の車でコグルミ谷の登山口へ行こうとした。しかし、・・・・・・。ここで、事の顛末を詳しく書くのは止めにして、ハリマオさんが知恵を絞り、ノープロブレムとなった。少し出発は遅れたが、予定通りコグルミ谷からの入山となった。この時点で少し小雨がぱらついたが、山は秋の澄んだ空気に包まれ、実に爽やかである。


コグルミ谷登山口

 登山道は所々流されてはいるが、徐々に踏み跡で道が作られていくのが興味深い。両岸が削られていくので、半分は枯れ沢歩きのコースになってきた。土が残ったところは来春の花が期待できるが、花崗岩が白く洗われた所はまた土がたまってくるには随分と時間がかかるだろう。水は真の谷で補給することになっているので、荷物が比較的軽い。といっても、テント山行だから、日帰りに比べると甘えることはできない。秋の爽やかな空気ではあるが、気温はまだまだ高く、長命水までに小休止を挟む。


カタクリ峠

 カタクリ峠は風がよく通り、どうしても長居をしたくなる所だ。早い人はもう下山する時間になっている。時間を気にせず、行き先も定まらず歩き出したが、日没から逆算して、テント設営やら撮影の準備の時間を差し引くと、あまりゆとりがないことがわかった。荷物を置いて、テーブルランドでもと思っていたが、そのまま真の谷に降り、テント場で昼食休憩にすることにした。


シロモジ


トチノキ

谷筋は木漏れ日で明るく、涼風が心地よい。さて、ここから白船峠までの登りが頑張りどころだ。真の谷はテーブルランドに登りつくためによく利用するが、藤原に向かうときに利用することはまずないだろう。過去に2度ほど、坂本から御池を往復するのに使った記憶が残っている。随分前のことで、登りがきつかったことの記憶が残っている。今日はテントを担いでいるから、登り始めるや、ぐっと足に荷重がかかってきた。しかし、傾斜がきついのは最初の標高差100mくらいで、あとは山腹のトラーバースとなる。途中ブナの灰色の肌が目に付く。このあたりには、まとまっているようだ。登山道ははっきりとしているので、外すことはまずないだろうが、踏み跡は薄い。給水さえ必要がなければ、カタクリ峠から尾根道を選択したが、石灰岩の山は水に困る。今晩と明日の朝と昼までの水を2.5リットルほど補給したので予定に重く感じられたのかもしれない。


ブナ林

 白船峠は、坂本谷が崩れるまではよく使われていたが、標識の朽ち果て、少し寂れた感がある。小休止後、次は三角点のある冷川谷の頭を目指す。傾斜はそれほどでもない。150mの標高差を徐々に登っていく。いい感じの雑木林が続き歩きやすい。明るく開けたところが一つ目の鉄塔で、御池を撮影する場合はここをお勧めする。次の鉄塔の方が高いが、この鉄塔が写りこんでします。三角点からの展望は抜群である。ここまで高度を上げてしまうと、あとの稜線歩きは楽である。

 シロヨメナとカワチブシがいたるところで乱れ咲いている。花を見るにはいい季節だが、春に比べるとぐんと登山者が少なくなる。我々の歩いている時間が遅いこともある。だいたい16時前にこのあたりをうろついていると、日没時間を考えると下山もおぼつかない時間だ。幕営地はすぐそこなので、時間の心配は無用だ。


オニグルミ

 


カワチブシ


天狗岩

 天狗岩に到着。まずは撮影のコンディションを確かめに天狗岩へ。西日を受けて展望丘の輪郭がはっきりとしている。腰を下ろして夕暮れどきのじっくりと待ちたいが、まだテント設営の仕事がある。天狗岩周辺は岩場なので、樹林の中に入り平らな場所を探す。風があるので樹林の中はありがたい。多少の傾斜はあるが、落ち葉が積もっているので、ふんわりとした上等の寝床ができ上がる。私ととっちゃんはいつものテントだが、ハリマオさんはツェルトだ。風雨なら一晩過ごすのはのは大変だが、風はあるものの夏場の鈴鹿なら大丈夫だろう。大事にもってきたビールをグビッとやる。アルプスのテント場なら何でも調達できるが、ここはそうはいかない。


テント設営

 夕暮れの撮影をしようと樹林を出ると、なんと目の前にでかい鳥が二羽ランデブー飛行をしていた。数日前、新聞にイヌワシが紹介されていたが、この二羽のことだろうか?残念ながらカメラには収まらなかった。


レイジンソウ


夕暮れ

 夕食を済ませ、夜景の撮影に再び天狗岩に向かう。町の夜景に藤原岳のシルエットが浮かび上がる。デジカメをバルブにして2,3分開放にしてみた。すぐに確認できるのがデジカメのよさである。開放時間の色々と変えて撮影してみた。上着を羽織ったが風が強く長くはいられない。テントのある樹林にもどり、持参した焼酎を飲む。それからテントに潜り込み横になった。月の光が木漏れ日のようにテントに照らす。明るい模様が風で動き、見ていても飽きない。


夜景 長島温泉の花火 わかるかな?


さてこのシルエットは?

 ハリマオさんの起床!の声で目を覚ます。日の出を逃したら悔いが残る。5時から朝飯の準備をして、6時前に天狗岩に出てみるとちょうど日の出の時だった。展望丘あたりから上がることを予想したが、避難小屋から天狗岩に向かう途中の丘の辺りから出てきた。


日の出


朝の天狗岩


朝の撮影に勤しむ


なかなかいい感じ


御池岳 ちょっともやがかかっている


天狗岩

 朝の撮影が終わり、テントを撤収後帰路についた。ハリマオさのととっちゃんは藤原から下山、私はコグルミ谷に戻るコースをたどった。ここで終わりたいが、まだ先がある。長命水を離れようとしたら携帯が鳴った。とっちゃんからだ、私の靴はあなたの車の中だそうだ。なるほど、はだしでは帰れないな。みなさん、なぜだかわかりますか?

 

2003_9_14