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高畑山(鈴鹿)2003年7月20日

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高畑山(鈴鹿)2003年7月20日(日)N0.216 隊長

 坂下はずれー片山神社ー1号線高架下ー鈴鹿峠ーナイフエッジー山頂
 行動時間:約4時間

 この時期にあえて登る山でもないと思うが、お役目とあらばどこへでも。関宿は当時の面影がそのまま残る宿場町だが、登山の基点となる坂下は、茶畑の脇にたつ本陣跡の石柱を確かめないと、宿場町であったことがわからないだろう。高畑山の登山口は鈴鹿峠にあるが、鈴鹿峠を基点にすると山頂までが1時間20分になり少し物足りない気がするので、坂下から東海道を歩くことにする。


片山神社

といっても、片山神社までは車で進むことができ、路肩に駐車することもできる。歩き始めるとひと組の老夫婦が街道を散策中であった。土山はどっちと聞かれたので、とりあえずは鈴鹿峠をめざしてくださいと答えたが、土山まで歩けるだろうがと心配になった。片山神社を過ぎると一部石畳の道になり当時の街道の雰囲気が味わえる。地図を片手に年配のグループが降りてきた。土山から坂下間を歩いているのだろうか。国道の高架の下をくぐり、階段を上がってしばらく進むと、鈴鹿峠に到着する。途中、真新しい「馬のみずのみ鉢」があった。観光に力を入れているのはわかるが、今は馬でこの峠を越える人はいないだろう。


鈴鹿峠

 峠は植林帯の林道のようだが、鈴鹿の他の峠に比べ、遙かに道幅も広く、当時の往来の様子がうかがえる。ここまで来ると高畑山の案内が出てくる。所要時間は1時間20分と示されている。足の方はまだ完治していないが、少しはまともに歩けるようになってきたので、平均時間で行けるだろうと、峠を後にした。


鈴鹿峠

しばらくは植林帯を歩くことになり、日が差してくるとそれないに雰囲気がある。田村神社跡の石柱を右に見て、鏡岩の分岐を右に進む。今回はまじめてGPSでトレースしているが、植林帯でも問題なく受信できている。徐々に傾斜がきつくなり、標高差300mを凌ぐと、尾根に出る。しかしこの300mがかなりきつい。前回から3週間あいていること、なにより足の故障でスローダウンしているので、筋力も低下していること、そして蒸し暑い。尾根に出ると、痩せ尾根には植林も及ばず、膝ほどの笹を分けながら気持ちよく歩ける。右手前方にめざす高畑山が見え隠れしだすと、じきに通称ナイフエッジとよばれるところに至る。


ナイフエッジ

山頂の周辺やこのナイフエッジなど、鈴鹿南部の地形の特徴だろう。花崗岩の風化が進み砂状になっているので滑りやすいが、フィックスロープもあるので、初心者でも大丈夫だろう。ここからは多少のアップダウンはあるが、2つほどピークを越えると山頂に出る。稜線の所々で展望が開けるので、立ち止まり山の確認をする。


ノギラン

足元を見ても何も目につかず、ノギランがひとつ咲いていた。しかし春はあまり多くはなさそうだが、シロヤシオ、アカヤシオが楽しめそうだ。この山の登山適季は5月連休かな?他にブナの木が少しあるようだが多くはない。途中で雨が当たってきたが樹林を歩く限り雨具はいらない。それよりもゴロゴロ様が怖い。遠くでゴロゴロやっているので、おとなしく通り過ぎることを祈り、山頂への登りにかかる。前が開けてきたと思ったらすぐに山頂に出た。あまり広くはないが遮る物は何もなく、360度の展望を思うままに出来る。山頂からは第二名神の高架橋が印象的で、まっすぐに鈴鹿山脈を貫いている。三重県側の出口は石水渓谷あたりだろうか。


山頂の三角点


那須が原、油日へと続く稜線


山頂展望よし


山頂からナイフエッジからの稜線

インターチェンジはどのあたりに出来るのかはわからないが、便はよくなっても遠くから沢山の登山者が訪れる山域でもないだろう。天気さえよければのんびりとしたい所だが、黒っぽい雲が雷鳴とともに近づいてきている。早々に撮影を済ませ、ラーメンを作るも、ちょうど食べ始めと同時にどばっと雨が降ってきた。雨よりも雷がこわい。展望がよいということは、雷様に見つかりやすいということになる。慌ててザックに荷物をほおりこみ鍋をもって、安全地帯間まで降下した。雨具を着てしゃがんだままの食事になった。スープが半分になっていた。鈴鹿の山にはもう10年以上通っているが、ラーメンの鍋を持って下山したのははじめてだ。楽しみの昼食時間を剥奪され、とぼとぼと歩きながら帰路についた。途中、傘をさした二人組の登山者が登ってきた。こんな日は誰にも会わないだろうと思っていたが、登る人もいるようだ。帰りに「鈴鹿山の鏡岩」に立ち寄った。「天下の峻険鈴鹿峠の南方にあり、峠に住む盗賊が峠を通旅人の姿を岩に映し危害を加えた」と説明があった。


鈴鹿山の鏡岩

 

 

2003_06_21