歩人倶楽部  最新情報  レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

伊吹山2003年6月21日

home

伊吹山2003年6月21日(土)No.214 隊長

 伊吹の花が気になり出かけた。しばらくの間、梅雨空にお日様が隠れていたが、雲が消えたこの日は真夏日となった。遮る雲もなく、容赦なく降り注ぐ太陽光線をまともに受けながらの登りはちょっと辛い。しかし、夏の花には早く、春の花には遅い時期なので、花の種類は少ないが、この時期にしか見ることができない花もある。

ミヤマコアザミ、ササユリ、ニッコウキスゲ、ユウスゲ、ハクサンフウロ、コウゾリナ、アカツメクサ、クサフジ、ヤマホタルブクロ、ヒメウツギ、イブキノエンドウ、キバナノレンリソウ、アヤメ、キバナハタザオ、イブキソモツケ、カノコソウ、コバノミミナグサ、ウマノアシガタ、イブキトラノオ、グンナイフウロ、ヒヨクソウ、カラマツソウなど。

 自宅を7時に出て3合目に9時過ぎに到着。足がよければ、1合目から登りたいが、今の足の状態では行動範囲が半分以下に落ちている。3合目から山頂往復が限界だろう。9時過ぎに到着したときには、あまり広くない駐車スペースも殆ど埋まっていた。この時期は何度か登っていて見られる花も予想できるが、年により花の時期も多少ずれるし、花のつきも違うので、そのあたりが観察ポイントになる。特に目当ての花もないが、数が少なくなっているササユリはやはり気になるところだ。


ササユリ

 登山道に入るとすぐにお目当てのササユリが出迎えてくれた。殆どの登山者は素通りしていくが、少し花に興味のある登山者は必ず立ち寄っていく。あまり多くはないが今年も数本の花が風に揺れていた。夏になればユウスゲで埋まる草原もこの時期は花に乏しい。雪解けとともに花を開かせたアマナも今はなく、気の早いユウスゲが一輪風に揺れていた。しかしよく見るとハクサンフウロも咲き始め、キバナノカワラマツバの花の芽も膨らんできている。梅雨明けとともに一気に夏の花で埋め尽くされる気配を感じる。


ミヤマコアザミ

 ミヤマコアザミが花の時期を迎えている。ノアザミの親戚だそうだが、とげが多いとのこと。他にはコオウゾリナやアカツメクサが咲いている。山でしか見られない花と同居しているところがおもしろい。


5合目 イブキトラノオ

 5合目まで来ると汗が吹き出してきた。太陽を遮る物が何もない登山道は厳しい。植林の道は味気ないが、こんな時は日陰が恋しい。梅雨の晴れ間にしてはさわやかである。琵琶湖から吹き上がってくる風がありがたい。オフシーズンには閉ざされている小屋も開かれ営業を始めている。人気の山だけに、5合目は山者の往来で賑わっていた。イブキトラノオが見頃だ。

 さてこれから先が大変だ。暑さによるスタミナ切れよりも、どこまで左足首が持ちこたえてくれるかが大きな問題である。2週間前よりもかなりよくはなっているが、まだまだ普通の登りはできない。疲労がたまると痛みが出てくる。この方がゆっくりと撮影ができるのでいいのかもしれないが、夏のアルプスまで後1ヶ月かと思うと不安になる。
 登山道脇を埋めていたオドリコソウも消えて、今はキバナノレンリソウとイブキノエンドウが目立つ。ニッコウキスゲが一株咲いていたが他には見あたらない。コクサギのつややかな若葉が登山道脇を埋めている。この木が繁茂すると草花がすくなくなるので、これから先の遷移が心配だ。


イブキシモツケ

 高度を上げるにつれて、花の種類も増してくる。キバナハタザオ、クサタチバナ、イブキシモツケ、グンナイフウロ、ヒヨクソウ、ヒメフウロ、カノコソウなど、どれも地味な花ではあるが、花の多さには驚く。

 

 

 足首もなんとか持ちこたえてくれたので、山頂に立つことができた。山小屋周辺は登山者と観光客で賑わいを見せていた。こんな日は売店でよく冷えたビールを買ってグイッといきたいところだが、足に影響が出るのが心配でアイスクリームに切り替える。売り場をのぞき込むと見慣れた本が陳列してあった。アイスクリームを食べながらだれかかってくれないかなと様子を見ていると、おばちゃんが買ってくれた。ありがとうといいたかったが、名乗り出て説明するのも気が引ける。店のご主人にも挨拶くらいは思ったが、アイスクリームが飛ぶように売れていて忙しそうなので、また今度にしよう。
 今日は昼食用にラーメンも焼きそばも準備してきたが、アイスクリームを食べたら作るのが面倒になってきたので、コンビニで買ったおにぎりで済ませた。足の故障と暑さで気持ちまで引いているのがわかる。

 山頂の花の主役は今のところグンナイフウロだ。あとひと月もすると夏の花が一斉に出そろうが、今はまだ花が少ない。

 さて下山だ。いつもならスイスイと降りるところだが、左足に力を入れることができないので、登りと同じだけ時間がかかる。しかも右足ばかりに負荷がかかるので、やたらと疲れる。何度も休憩を入れて何とか下山完了。思ったほど痛みも出なかったので、少しは前進しているようだ。しかし、早くスイスイと歩きたい。

 

 

2003_06_21