歩人倶楽部  最新情報  レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

伊吹北尾根2003年5月24日

home

桧塚、桧塚奥峰(台高)2003年6月8日(日)No.213 隊長、うさぎ

自宅(7:20)ー国道23号線ー伊勢自動車道(津ICー松阪IC)ー国道166号線(飯高町)ー蓮ダムー千秋林道ーナマコ谷登山口(9:30) 走行距離101km

 好天に恵まれ、懸案だった桧塚の撮影ができた。花は予定していた、サラサドウダン、シロヤシオ、ササユリがゲットできた。足の故障が完治せず行動範囲は3分の1に落ちているが、何とか来るままでたどり着けとほっとした。冬場は殆ど人と会わないが、今日の奥峰は賑わっていた。

 自宅から千秋林道のナマコ谷登山口までは車で101km2時間の道程だ。これだけ時間があればこの季節、花を追いかけて北へ向かいたいところだが、と思いつつ車を南へと走らせる。紀伊半島の背骨に向かう道程は渋滞など皆無であるが、時間の節約でいつも高速道路を利用することにしている。気が向けば勢和多ICまで行くが、いつもは松阪ICで降りて、国道166にスイッチする。香肌渓谷が近づくにつれて道幅が狭くなるが快適なドライブが約束される。本日は好天に恵まれ山容が明瞭で、いつか登った局ケ岳がよく見える。飯高町道の駅でトイレ休憩と飲み物の補給をする。自販機でペットボトル入りのお茶を買ったら、何年かぶりであたりが出た。車に戻り何かいいことあるかな、という思いとは裏腹に、故障した足の具合が芳しくない。リハビリにとウォーキングを始めたのはいいが、少し悪化させていたようだ。

 話がそれたが、登山口まではここからが遠く感じられる、道幅も狭くなり、蓮ダムからはしばらくいい道が続くが、千秋林道に入りしばらく進むと地道になり、乗用車ではちょっとつらい。ナマコ谷登山口は蓮ダムから約10キロの所にある。渓流釣りの車を見かけるが、最初に来たときは先に進むにつれて心細くなるほどだ。林業用の作業小屋を過ぎたあたりが登山口だ。何カ所かに分かれて駐車すると10台くらいのスペースがある。メインルートは奈良県側からなので、三重県側のこの登山口ならこれだけのスペースがあれば必要十分だろう。先客の車が6台、同時に到着した車が1台で、計8台になる。過去2回の経験からみると、賑わっていると見られる。

 先にも書いたが、故障した足の具合が芳しくないので、奥山谷から明神岳経由はあきらめ、桧塚への直登へと計画を切り替える。これは正しい判断であった。というより、足が痛いのに山に入ること自体が間違えているのだが。しかし、この時期の桧塚はどうしてもフィルムに収めたいという宿題をやり遂げたい気持ちの方が遙かに勝る。シロヤシオ、ドウダン、山容が撮影できれば、後の楽しみは全部捨ててもいいかなと自分に言い聞かせる。

 

 登山口の標高は約750mで、標高1200mまでが植林だ。作業道を縫うように登山道がつけられていた、創造して頂けれはわかると思うが単調な道程である。植林帯に花は期待できないが、登山口ではガクウツギが甘ったるい香りで出迎えてくれた。瀬音を聞きながらしばらく進むと谷と別れ、作業道を一部利用しながら、この作業道を縫うように高度を稼いでいく。足の具合はというと、予想通り絶不調で、弱気の虫が早く引き返せと鳴き始めた。こんな時はこの声を謙虚に受け止め、虫(無視)してはいけない。

 前から大きな荷物を担いだ高校生の団体が降りてきた。テント泊の帰りのようだ。若い人を見ると、声をかけたがりのウサギが、その荷物何キロやと聞いていた。自分で持つのはえらいやろ!私は・・・・と言っている。話題を変えてここで改行。

 植林帯でこの時期となると花は乏しいが、他にないので目についたのが、アオホウズキ、ヒメタケシマラン、フタリシズカ、マムシグサ、コアジサイくらいだ。花を愛でる山旅には程遠いが、それでも花を見ると心が安らぐ。

 足に負担をかけぬように小休止を多く挟み時間を気にせずにゆっくうりと登る。1200m付近で植林帯を抜けて笹原に出た。何ともいえぬ解放感に心が弾んで、ウサギがぼうがつる賛歌を歌い出した。去年の今頃のことを思い出すのはいいが、ちょっと状況が違うだろう。ミヤマキリシマはこの山にはないのだ。格調高い山日記が、ずれた話題に横滑りしそうだ。


左 水無山  右 国見岳

 先週あたりが見頃で、すでに花は遅いだろうと思っていたシロヤシオだが、何とか花をつけていてくれた。山と花、この二つを一枚の写真に納めるには、好天の日に花が咲いていることが条件だ。花の時期と、週末と好天が一致する確率は低いので、足を引きずってでも登った甲斐があったと思った。


桧塚で営業用を撮影をする 。できればモデルを代えたい

 何度も登ってきた笹原を振り返りながら、気がつくと奥峰との稜線までたどり着いていた。鹿の白骨が散乱している。冬を越せずに息絶えたか。稜線からの眺めは抜群にいい。あちらこちらに点在するシロヤシオを一本々確かめながら、奥峰まで散策した。鈴鹿にもよく似た景観を持つ山はあるが、台高には台高らしさがあるようだ。桧塚の標高は1420mで、県境をまたがなければ、三重県内の最高峰ということになる。あと200m高ければ大台が原のような植生になり、低山の域を脱していたのかも知れない。


サラサドウダン

 桧塚は登山者で賑わっていた。秋、冬と来たが、そのときはガスがかかり何も見えず、誰ひとりいなかったが、この賑わいからするとやはり人気の山なのだろう。多くは奈良県側からの入山者と思われる。山頂近くでサラサドウダンを見つけて。鈴鹿のものよりも、少し赤みが強く感じる。他にこの時期の花木はあまり目につかない。オオイタヤメイゲツ?のプロペラをつけて赤い種が花のように見える。また白い花をつけているのがカマツカだろうか?

 

 帰りの時間を気にせずにのんびりと過ごしたが、いつまでも留まるわけにもいかないので、重い腰を上げて足を引きずりながら、何とか車まで戻ることができた。帰りに里山でササユリを見つけ予定通りの撮影取材が完了した。

 

2003_05_17