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藤原岳(鈴鹿) 2003年3月29日

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狗留孫山、烏帽子岳、三国岳、焼尾山(鈴鹿)2003年4月6日No.206隊長、うさぎ

篠立パーキング(8:40)ー長楽寺(9:07)ー登山口(9:27)ー狗留孫山(10:19)ー烏帽子岳(10:45)ー(12:40)三国岳(13:20)ー焼尾山(14:30)ー三重開閉所(16:20)ー篠立パーキング(16:50)

福寿草の咲きはじめが昨年とあまり変わらなかったので、同時期にイワウチワを狙ってみた。篠立パーキングを起点にビキニライン(ハリマオさん命名)の外回りをぐるっと回る歩きごたえのあるコースだ。しかし、残念ながら完敗であった。標高550m付近でやっと花を見たが、稜線上の群生地のつぼみは堅かった。

桜が満開になった。自宅から藤原に向かう道すがら、桜に浮気をしたくなるほどの咲きっぷりだ。思わず両が池で車を止めて、しばしの撮影タイムをむさぼった。予定通り篠立パーキングには8:30に到着した。ここを起点に、烏帽子岳、三国岳を周回するのは初めてである。一般的なルートではないので、登り口と帰着点がわからない。こんなときはインターネットの情報が頼りになる。山に入ってしまえば地形図とコンパスで何とかなるが、アプローチで無駄な時間は費やしたくない。

 
      長楽寺            長楽寺前の林道(20ふん歩くと登山口)


長楽寺への長い参道を上がりきると、コンクリート舗装の林道に出る。登山口はこれを約20分ほど登った所にある。篠立パーキングからだと約50分の行程だ。鈴鹿にしてはアプローチが長い。


狗留孫山登山口

 登山口は谷を渡る小さなコンクリートの橋を過ぎて少し先の右手にある。私的な案内があるので迷わないだろう。
  登山道に入るといきなりの急登が始まる。昨日の雨で踏み跡が消されたのか、新しい踏み跡は確認できない。登山道というよりも、林業の作業道はよく使われてきたのだろうか、しっかりとした道だ。尾根に出ると一直線の登りになる。このあたりは心と体のリズムを乱すと辛くなるところだ。傾斜による体の負荷、うさぎの調子、本日の気温と湿度、これから先の行程などなどを、少し古くなったコンピュータにデータをインプットし、経験というプログラムでこの日のペースをはじき出す。筋力と持久力の接点を決めることができるとゆとりが生まれ、満足度の高い山旅になる。タイミング良く小休止を入れるのも持久力の維持に欠かせない。


 狗留孫山に出た。標高は772mだが絶景だ。東の御池、藤原の山塊に圧倒され、西に烏帽子、三国の稜線を見て、これから先の道のりが不安となる。


狗留孫山横の反射板

 狗留孫山では風が強いので長くは留まれず、行程の4分の1も消化できていないので、稜線上を徐々に北に向きを変えながら烏帽子岳に向かって進む。多少の起伏はあるが、鉄塔の巡視道がよく整備されているので大変歩きやすくなっている。稜線にはカタクリの葉が出始めており、葉の多さから花の時期に期待が膨らむ。途中、日向ぼっこをしているでかい蛙と出会う。


行く手を阻む蛙くん

 山にも春がやって来たということだ。稜線の鞍部からは標高差約100mの緩やかな登りが続く。山頂が近づくにつれてイワウチワの紫色をした葉も多くなってくるが、まだつぼみが膨らんだ程度で、花は見られなかった。県境稜線に交わると山頂はすぐそこである。山頂には登山者が3名ほど見えた。山頂からの展望はないのですぐに稜線に降りて、期待を持って花を探すが、みな蕾である。もう2,3日で開きそうだ。くやしーな!噂には聞いていたがここのシャクナゲの多さには感心させられる。シャクナゲのころに来てみたいと思う。


イワウチワの蕾


 悔やんでも花は咲かないので、シャクナゲの下でコーヒータイムにする。これで狗留孫山、烏帽子岳と2つのピークをとったことになるが、行程はまだあと3分の2が残っている。さてもう一度気を入れ直して遠くに見える三国岳を目指す。狗留孫山からのこぎりのように見えていただけに、起伏があって変化に富む稜線だ。イワウチワの葉、カタクリの葉、シャクナゲの蕾を至る所で見かかる。是非とも花の季節に歩かねばという思いが募るばかりである。最低鞍部は約700mで鉄塔が通っている。日当たりがいいのでカタクリの葉も大きく育っているが花はない。カタクリの花はないかと注意しながら痩せ尾根を歩いていると、前から見覚えのある人がやって来た。山の友ちゃんだった。花情報を交換するが三国にも開花はないと言うことらしい。チャンスがあるとすれば焼尾から下ということになる。三国までは約200mの登り返しだ。変化があるので、いや言葉を変えると行儀が悪い尾根なので、思った以上に時間を使ってしまった。エアリアマップ通り、小休止と撮影時間込みで約2時間の行程であった。三国手前の岩場からは好展望が期待できる。


烏帽子から三国に続く稜線


ダイラ

 情報通り三国周辺のイワウチワの蕾は堅かった。12時半を過ぎたので昼食タイムに入る。ここの山頂は南向きに少し展望が開けているだけだが、森が明るく風も当たらないので、居心地のよい所だ。この時期の藤原は人でごった返しているだろうが、この山は登山者も数人でじつに静かである。こんな日は食後のコーヒーでも飲んで昼寝でむさぼりたいところだが、まだ行程の半分を残しているので、長居はできない。最高点の911を過ぎると一気に150mほど高度を落とし鞍部に出る。ここからの登り返しが昼食の後だけにちょっと辛い。日だまりにカタクリの葉が目立つが、花はまだのようだ。右に鞍掛けへの登山道を見送り少し高度をあげると焼尾山である。シャクナゲ、イワウチワの群落が多い。バイカオウレンも花を出したところで、花柄は短いが、たくさん花を開いている。焼尾山では展望南に開け、鈴北、藤原の巨大な山塊が眼前に迫っており、足下には谷を縫うように国道がのびている。


バイカオウレン


 さてここからは鉄塔の巡視路を降下することになる。決して単純な地形ではないが、基本的には尾根を下りればよい。所々に目印のビニールひもはあるが、頼りになるのは地形図と送電線や鉄塔の位置だ。登りならいいが下りは要注意だ。高度を落とせば花を見る確率も高くなるが、群落は降りるほど少なくなる。500m付近まで降りてやっと花を見つけた。せめてもの慰めである。


イワウチワ


ショウジョウバカマ


鉄塔からみる丸尾


開閉所まであと少し

 これから2週間かけて咲き上がっていくのだろうが、きょうは完全に時期を外してしまったようだ。読みが甘かったということだ。その後は順調に高度を下げて目標の開閉所裏側の林道終点のコンクリ舗装した駐車場の降り立った。車が一台停まっていた。しかしこれで終わりではない開閉所を大きく回り込み国道まで戻らねばならない。この30分が長かった。

 

 

2003_03_2