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藤内沢(鈴鹿) 2003年1月26日

 

藤内沢、国見尾根(鈴鹿)2003年1月26日(日)No.194
 参加者 ハリマオさん、通風山さん、なっきーさん、隊長

ゲート(7:50)−藤内小屋(8:40)−藤内沢分岐(9:30)−(11:00)山頂公園(12:40)−国見尾根(13:15)−ゆるぎ岩(13:40)−岳不動(14:30)−藤内小屋ーゲート(15:45)
*時間は撮影、休憩を含みます

 昨年から予定していた藤内沢だったが、ハリマオさんの主催で4人の仲間が参集した。一週間前の天気予報は雨と出ていた。ハリマオさんの主催の場合は、週間天気予報は雨の場合が多いが、二日前になると晴れに変わっている。昨年の笠ケ岳もそうだったが、血統書付きの晴れ男なのかもしれない。穏やかな空気に包まれた鈴鹿山系が朝日に輝き、昨日の高見山の吹雪が嘘のように思える。もう少し早く家を出れば、撮影もできたが、少し遅刻気味にスカイラインゲート前に滑り込む。すでに、ハリマオさん、なっきーさん、初めてご一緒する通風山さんが、準備をしていた。今日はみなさん、HPのオーナーばかりで、実際に顔を合わせることは少ないが、気心の知れた仲間である。

 準備を済ませ、路面の凍りついたスカイラインを裏道登山道入り口まで歩く。暖かい日和だが、登山道は凍りついていて、気持ちよく歩ける。よく踏まれていて滑りそうだが、アイゼンを使うまでもない。ましてや今日は12本アイゼンなので、かえってスパッツや岩に引っかけてしまう確率の方が高い。ハリマオペースで藤内小屋に着く頃には、ひと汗流すほどであった。これは、ペースが速く、気温も高いためである。


藤内小屋

 ウサギの耳で沢に入る準備を済ませ。いよいよ藤内沢出合からテスト岩に向かう。トレースはあるが、昨日からの積雪でしまりが悪い。といっても雪質はサラサラで最高の状態だ。ハリマオさんが先頭で、通風山さん、なっきーさん、私と続く。終日、この順番は守られることになった。

 

 第一のポイントは藤内滝の巻き道だ。滝に近づいてから右岸を巻くが、ここにはでかい氷柱が何本もある。雪がまだよく踏まれていないので、ずるずるとすべる。ピッケルを打ち込んで、でかい体をかがめ、氷柱の内側をすり抜けた。これを回り込むと今度は、岩と氷の壁が待っている。アイゼンを氷りにけり込んで、ピッケルを打ち込む。ホールドを確かめ、グイッとあがる。なっきーさんもたいしたものだ。ほとんど確保されることなく、快調に登っていく。


藤内滝右岸の巻き道

 人の体よりもでかい青色をした氷柱が折れていた。こいつの下敷きになったら、体がつぶれてしまいそうだ。しかし家に持ち帰りたくなるほどの氷だ。こいつでオンザロックなら申し分ないだろう。この先の滝も、ピッケルとアイゼンがよく効き安心してクリアできた。

 しかし、3ルンゼまでの急登はかなりきつい。雪の少ないところはアイゼンがよく効くので歩きやすいが、氷の上に雪が乗っているところはずるずるとすべる。見下ろすと恐ろしいほどの傾斜だ。滑り出したらおそらく停まらないだろう。

 ノコギリ岩で一休みする。岩と氷の壁が垂直に切り立っている。登山者が数人アイスクライミングの練習をしていた。ハリマオさんは練習でアイゼンを効かせて氷をよじ登っている。この第三ルンゼをつめればじきに山頂に出る。混雑を予想して早めに出発をしたので、時間的にゆとりがあるためか、この先の行程が気にならない。

 

 ここはそのまま登らずに、右岸尾根に取り付いた。少し岩場を登るのすぐに尾根に出て、絶好の展望が眼前に広がった。藤原、御池はもちろんこのと、霊仙までの稜線がくっきりと見える。晴天である。通風山さん、同郷の方と出くわし話が弾んでいるようだ。山に来て山の話をする。時間のたつのも忘れて、皆さん絶景に釘付けである。

 

 少し時間は早いが、山頂で適当な場所を見つけて昼食休憩にする。風もなく穏やかなので、場所はどこでもOKである。ロープウェイ貸し出しの長靴を履いた観光客や登山者が入り交じっているが、見慣れた光景なので違和感がない。というより、施設などの人工物の多い山頂で、観光客と混在になっている状態をいちいち書き記すのが面倒なだけである。御在所の魅力は、ピークハントよりもアプローチにあることを解っていれば、山頂の喧噪は無視できる。といいながら、売店でビールを買ったのは誰だったかな?これで、ゴンドラに乗ろうものなら、完全に観光客に変身したことになる。

 たっぷりと昼食時間をとり、国見に向かう。峠まで滑るように降りる。しかしここからが試練である。踏み後が少なく、雪に足を取られながらの前進になり、急に速度が落ちる。しかし折り返しはたいした距離でもないので、あまり苦にはならない。これが標高差300m以上あるとなると、真顔になるところだ。逆光ではあるが、岩場からの御在所はなかなか絵になる。今朝登ってきた藤内沢の第3ルンゼがよく見え、その傾斜に改めて驚く。

 さて、国見尾根分岐あたりからは踏み後も少なく、ハリマオさんがトレースをしてくれるので、今日は気楽なものである。しかし少しでもルートをはずすと、越近くまではまってしまう。痩せ尾根を慎重に降下し天狗岩に至る。このあたりの高度感は鈴鹿随一だろう。

 

 最後のポイントは、国見尾根鞍部から沢への急降下が待っている。無積雪期なら落石も多く、あまり好きになれないルートだが、今日ほど積雪があるとシリセードに絶好の場所となる。一気に沢まで降りた。さてこの後は登山口まで戻るのみである。

 

 

2003_01_26