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国見山(台高) No.188

 

国見山 2002年12月15日 No.188 隊長、うさぎ

 大又(10:25)ー明神平ー国見山ー明神平ー大又(15:15)

 奈良県側からの入山となった。といっても、表玄関はやはり奈良県で、これは疑う余地のない事実でしょう。しかし、稜線の東側は三重県である。本日の誤算は時間の読み違えにある。本年度、台高4回目にしてやっとこさ、晴天に恵まれたので、ちょっと道草して山の写真を撮っていたのと、高見トンネルを越えてから、登山口までの距離が意外と長かったのが原因である。3時間20分もあれば、中央アルプスを通り越して、八ヶ岳の美濃戸口までいっている計算になる。だからこの山域を敬遠していたのだろうと思う。凍結は予測できたのでアイゼンは準備したが、積雪がわからなかったが、多くても膝までと思い、スノーシューは持参しなかった。これは正解であった。とにかく時間がなくなったので、伊勢辻山までのピストンを考えていたが。計画縮小で国見往復となった。


明神平

 大又からの入山となると、三重県側からの回り込みに1時間は余計にかかる。時間を短縮するのであれば、大又よりは歩きにくいが千秋林道から入った方がいいと思う。
 大又の林道終点付近は路面が凍てついていてアイスバーンになっていた。4WDの強みで、大きな駐車場を過ぎて登山口の看板のあるところまで入ってみた。すでに4WDが一台停まっていた。時間が遅くなったので急いで準備を済ませ、しばらくの間凍てついた林道を進む。アイゼンの爪が凍てついた雪をザクッと砕く。ちょっぴり懐かしい音に心も弾む。林道が終わり何度か渡抄を繰り返すと、旧あしび山荘の脇を通る。98年の台風による倒木がいたいたしい。鈴鹿の山もこっぴどくやられたが、ここも鈴鹿と同じようなやられ方だ。登山道を歩いている分には困らないが、ルートファイドで下山時に倒木の谷に降りたときにはたまらない。ここを過ぎるとジグザグの登りが始まる。アイゼンをつけていると歩きにくいが、はずしてしまうと今度は凍てついた雪に足を取られる。脱着を2回ほど繰り返したが、少し雪が多くなってきたところではずして歩いた。道具は使いようである。


あしび山荘

 高度を上げるにつれて樹氷も鮮やかになってきた。杉が雪化粧で淡い抹茶色になっている。エビのしっぽも大きいのがついている。背景の青空が印象的だ。久しぶりに見る青色のキャンパス。やはり山は好天に限る。


稜線から明神平

 平均的なタイムで明神平に到着した。風もなく好天に恵まれ、実穏やかである。テントが2張ほどある。あしび山荘脇で昼食をとっている人、雪の上でくつろいでいるひと、登山者もめいめいの時間を楽しんでいるようだった。

 東屋で小休止し、水無、国見へ向かった。稜線が近づくにつれて積雪も増してきたが、足を取られるほどでもない。これで膝近くまで雪があると、昨日買ったスノーシューをおいてきたことを悔やむことになっただろうが、これならなくても大丈夫だ。しかし、先行者はスノーシューをつけているみたいだ。少しだけ試してみたかったと少し悔いは残ったが、なりより稜線は天上の楽園である。振り返ると明神平の周辺の樹林は樹氷をつけて白く輝いている。この時間になると、順光になる南面の樹氷は太陽の光で説けていて、北面の樹氷だけが残っている。


国見山への稜線

 もう少しのんびりと稜線を歩きたかったが、水無山を一気に駆け下りて国見山に向かった、途中でスノーシューが引き返してる。国見に向かう足跡が消えている。もう少しの所まで来てなぜだろうと思い、国見山の山頂に立った。山頂は開けてはいるが樹林の中であるので眺望はあまりよくない。しかし、樹間からは、高見はもちろん、高見に続く稜線上の山々、三峰、室生火山群、桧塚、大峰方面を垣間見ることができる。もう少し開けていると構図もとりやすいがそうもいかない。


稜線のブナ

 昼食はまたまたちゃんこ鍋である。野菜、肉、餅などなどを鍋に入れて、あとはちゃんこ鍋の素で仕上げるだけだ。冬場の定番メニューになりそうだ。雪の中のガソリンストーブは頼もしい。鍋をつついていると、大阪から見えた単独の方が見えた。夕べは明神平で停まったそうだ。ちょっと羨ましかったな。


国見山への稜線

 下山は天高ルートの急降下を考え、降りるべき尾根を地形図とコンパスで確かめたが、旧あしび山荘付近の積み重なった倒木が目に焼き付いていたので、断念することにした。一度、登りでルートを確認しておきたいところである。降りたはいいが、倒木に行く手を阻まれ大きく迂回するのはごめんだ。と言うことで来た道を戻り、無事に下山した。車が見えてきたところで、安心したのか氷ついた路面に足を取られてすってんころりん。ザックの脇につけたアイゼンが氷りぶつかりがちゃんとなった。役に立たないアイゼンだ。

 

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