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迷岳(台高) No.181

 

迷岳(台高) 2002年11月4日 No.181


 登山口−鞍部−飯盛山−P930−P1079コブ−迷岳山頂1309m 標高差約1050m


 分県登山ガイド「三重の山」には52山が紹介されている。難易度が3段階の星の数で表してあるが、三星は3山しかない。今回の迷岳、桧塚奥峰、池小屋山の三つである。ということで、なかなか手応えのある山でした。


飯盛山と迷岳

 完全に冬型の気圧配置になり、北風の吹き荒れる一日となった。平地なら木枯らし程度だが、1300mの稜線は、完全に冬山の様相を呈していた。
 ホテル・スメールの駐車場に8時集合のため、鈴鹿の自宅を6時に出発する。R23号線、伊勢自動車道の津ICから勢和IC、R166と繋ぎ、7時40分に目的地に到着する。山容の撮影のためいいポジションを求めてうろうろするが、山の北側にいるために残念ながら逆光である。しかし、飯盛山の切り立った斜面の紅葉はなかなか見応えがあるのだが、同時に登山道の険しさをうかがい知ることができた。なにしろ分県登山ガイドを見ると、三つ星レストランである。


岩場の登り


 少し時間があるので、唐谷林道を車で駆け上がってみた。現役の林道であるようだが、道に転がる甚だしい落石の数に恐れをなして、橋の手前でウーターンして帰ってきた。唐谷橋手前に登山口があり、ボックスも設置されている。駐車場もよく整備されていて、20台程度の駐車が可能である。紅葉の季節とはいえ、冬型の天候に出鼻をくじかれたか、先客は2台で、駐車場は閑散としていた。林業用の渓流沿いに平坦な作業道をしばらく進むと、迷岳への登り口を示す案内板がかかっていた。地形図の等高線の混み具合を見ると、休みのない急登が350m続くことが小学生でもわかる。人手の入らなくなった植林帯は憂そうとしていて、人の進入を拒む気配すら感じるが、ここの植林帯は人の温もりが感じられる。林業で生計が立たない時代だが、手塩にかけた森林の気配を感じた。2度ほど小休止を入れて、稜線の鞍部手前にさしかかると、固定ロープのある登りが待ちかまえていた。これは、三つ星レストランの前哨戦だということが後でわかった。


 この植林帯の岩場を登りきると飯盛山に続く稜線の鞍部に出る。標高は600mで一気に350mかせいだことになる。ここで一息入れたいところだが、あられ混じりの吹きさらしのために休憩ができず、雨具を着込んですぐに出発した。稜線の踏み後ははっきりとしていて、迷うことはない。植林が尾根まで及んでいるところもあるが、大部分は色づいた落葉樹が占めている。この尾根は痩せたところ有り、急勾配のところありと、変化に富んでいて飽きることはない。しかし地形図からのわかるように、飯盛山の前後に2カ所ほど岩場の難所がある。木の根や岩など、確実に両手と両足で3点を確保する必要がある。樹林でカモフラージュされているので高度感が薄れているが、この樹林がなければ恐怖感を隠すことはできないだろう。蓮ダムから見上げた飯盛山は切り立っているので、安易ではないことが想像できたが、難所を目の前にするともう若くはないが、多少の冒険心をくすぐられた。


 登りが緩やかになった所がP930である。このあたりまでくるとブナやヒメシャラの木が多くなってくる。天候さえよければ快適な稜線歩きを満喫できるところだが、冬型の悪天候のため帰路の心配が先にたってします。少なくとも16時に下山するためには折り返しは13時という計算になる。山頂まで行けるか自信がなかったが、歩きやすい尾根道になったのでペースも上がってきた。気がつくとP1079のコブまできており、ここからだと時間にして山頂まで約30分の距離である。ここは唐谷コースの合流点でもあるらしい。山頂が近づくにつれてブナの幹も太くなってきた。登山道の真ん中にシロヤシオの巨木もあった。山頂手前は少し登りがきつくなるがこれをしのぐと、穏やかな顔をした山頂に到着する。四方に穏やかな尾根を張り出しているところがくせ者である。迷岳の由来はここからきたか?

 


迷岳山頂 1309m

 

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