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三方崩山 2002.10.12 No.175

 

三方崩山(岐阜県白川村) 2002年10月12日 No.176 隊長、うさぎ

自宅(鈴鹿20:40)ー23号線ー258号線ー名神(大垣IC)−東海北陸道(荘川ICー平瀬温泉P(23:40)

平瀬温泉(6:35)ー(撮影、小休止)ー山頂(11:30)ー平瀬温泉(15:30)

 この時期、登りたい山はいくらでもある。山を採るか紅葉を採るか、できれば両方がいいがなかなかいい山が思い浮かばない。悩んだ末に決めた山が三方崩だ。標高は2058m。中腹に見事なブナ林を抱え、その上は山名からもわかるように、荒々しくダイナミックな山である。中級山岳ではあるが、標高差が1500mあり、日帰りで往復できる体力と経験が必要なので、初級者向きではない。この時期、紅葉は1500mあたりまで降りてきているので、アルプスにも心を惹かれたが、豊かなブナ林を抱える日本海に近い山に照準を合わせた。

 自宅からの行程が3時間半であるので、前夜車中泊か早朝発か、微妙なところである。エリアマップを見ると登り4時間40分、下り3時間30分となっている。いつものようなテント泊と違い荷物が少ないので(本日は撮影機材こみで約10キロ)、所要時間はガイドマップ時間の8割と計算できる。日没時間がはやくなり、ウサギをつれていることと、撮影時間が確保したかったので、前夜泊にした。

 自宅を20時40分に出発し、約3時間で平瀬温泉共同浴場駐車場に到着する。同県ナンバーのワンボックス一台が停まっていた。その後2台が順次到着し、男性単独の方は大白川林道への入り口を探していた。水銀灯の明かりを避ける位置に車を駐車し、酎ハイでひといきついてから眠りにつく。車中泊も慣れてくると仮眠ではなく、ぐっすりと眠れるようになる。しかし寒さで四時半に目が醒める。エンジンで室内を暖め、もう一度横になる。

 周囲があわただしくなり気がつくと6時だった。お湯を沸かしコーンクリームとパンで軽く朝食を済ませ、六時半に林道を歩き始める。約30分で登山口に着いた。林道の途中は荒れているが、4WDなら登山口まで入ることができそうだ。数台分の駐車スペースがある。

 コンクリートの塀に頑丈な登山届けボックスがしっかりと固定されている。人気の登山コースの登山口には、立派な標柱があるのが普通だが、実に飾り気のない登山口である。今から思うと、このいい季節の連休の初日にしては登山は少なかった。登山度は一本らしいので、入山者の数が把握できる。この日は十数名だったと思う。とすれば納得のいく登山口である。

 

 登山口から入るといきなりの急登が始まる。アカソの多い雑草の茂る登山道は露に濡れて歩きにくい。花は少なくなってきているがアキチョウジが咲き始め、フシグロセンノウが一輪咲き残っていた。夏の花を見てみないとどのような植相かわからないが、雰囲気からすると伊吹や鈴鹿と共通するところがありそうだ。 ジグザグの登りが終わる頃になるとブナが見られ始める。薄暗くうっとうしい植林の道から解放され実にさわやかな登山道になってくる。

1200m付近のブナ林

 

 標高を上げるにつれてブナの幹も徐々に太くなり、見事なブナ林になる。このブナ林は標高が1400m過ぎまで続く。登山道は1244mで直角に右に曲がり西に方向を変える。最初は緩やかな尾根道だが、やがて一直線の登りになる。1373mから1624mまで一定の勾配の登りが続く。紅葉はこのあたりが見頃であるが、勾配がきつくて鑑賞するゆとりがなくなってくる。

 


ブナ林の紅葉



 立ち枯れたブナにはキノコがたくさん生えていて、よく見るとそのキノコをリスがついばんでいた。カメラを構えても逃げだそうとしない。山頂がもう少し近ければ、このあたりの森で時間を使いたいが、あまりゆとりの時間がない。一息入れて足下を見ると、アミガサタケが生えていた。笹の根の近くに生えるキノコらしい。ツルリンドウの赤い実もよく目につく。

 急登をしのぐと、P1624に出る。南面はガレていて、山頂までの見通しがきく。絶景である。この高さが本日の紅葉のポイントらしい。谷から駆け上がってくる涼風が実にさわやかである。この山の標高と登山の時期に見合った装備を持っているが、本日に限っては、夏期登山の装備で十分である。しかし天候が悪くなると山は豹変する。肩の荷は重くなるがやはり備えは必要だ。


アミガサタケ



P1624からの眺め(正面が山頂)

 この日は標高1600mあたりが見頃であった。やせ尾根に乗りアップダウンを繰り返しながら標高差400mを一気稼ぐ。アルプスに比べ標高が低いので岩場の登山道は意外と少ない。しかし、しかし崩壊の進んだ山肌はアルプスを思わせるものがあり、ピークの手前では鎖場が何度も待ちかまえていた。とにかく山頂までの行程はどこでも展望は抜群である。


やせ尾根の登り

 

 
リンドウ


ツルリンドウの赤い実

 登山道脇にはリンドウやルリンドウの赤い実が多い。これらは高山の花というより。むしろ里山の花である。また、カライトソウやヤマハハコの咲き残りがたくさんあった。これらは高山の稜線でよく見られる植物である。これらが同居しているのがおもしろい。春から夏にかけてもう一度花の撮影にきてみたいと思う。花の量が多いのでおそらく期待を裏切らないと思う。しかし隣の山は、花の山で有名な白山である。その時期にあえてこちらの足が向くかは疑問だね。

 


やせた尾根の登山道は大変見晴らしがよい

 


山頂(左)付近の様子、稜線が登山道

 


右端から御岳、乗鞍、穂高、槍と続く

 天気は良好である。雲海には御岳、乗鞍、北アルプスの峰々が浮かんである。こんなに穏やかで暖かい天気なら、北アルプスもよかったかなと思うが、ブナ林をはじめ中腹の紅葉、やせ尾根のダイナミックな登りなどなど、登山の楽しみの要素が凝縮されているマニアック山もいいでしょう。


ダム湖と白川村

 


超やせ尾根(道幅は30センチくらい?)

 絶対に右にはずしてはいけないと心に言い聞かせてから渡し始める。つまずいても対処できるように、少し膝にためをつくって渡った。高いところが苦手な人は肝を冷やすことになるでしょう。マニアックな山だからあえて整備しないの?


三方崩山(2058m)

 山頂は狭いとは聞いていたが、本当に狭かった。10人も入るといっぱいになりそうだ。皆さんが前後して昼食をとるので、この日に入山した人が確認できる。出発は早いほうであったが、撮影に時間を費やした分、山頂の到着が遅くなってしまった。デジカメで80枚と35mmリバーサルを2本撮影したのだから無理もない。昼食はカレーうどん、野菜炒め、おにぎり、ウインナー、ゆで卵、ビールなどで食欲を満たす。食い過ぎ!お昼は、名古屋の単独男性と新潟からきた男女3人組と一緒になった。自宅からだと新潟は遠いが、ここからだとあまり変わらないか?飯豊、朝日はいいところ言われ、単純だからすぐに行きたくなるのは私だけかな?(またメール下さーーい)


白山御前峰

 山頂の北西方向は樹木が遮りあまり展望がきかない。奥三方岳の向こうには白山御前峰が頭覗かせていた。12:30山頂を後にして下山にかかる。帰りは撮影がないので順調に降りることができ、15:00登山口に着いた。栗を拾いながら30分ほど林道を歩いて平瀬温泉に到着。330円で湯につかりその日の疲れを流した。

平瀬温泉P(16:00)−東海北陸道(荘川IC)ー(SAでそばを食べる)ー名神(大垣IC)ー258号線ー23号線ー自宅(鈴鹿19:30)

 

 

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