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御池(鈴鹿) 2002.05.12 No.157

 

藤原岳(鈴鹿)2002.5.26 No.160 参加者:ハリマオさん、panaちゃん,とっちゃん,リンさん、私 new

茨川(8:30)―(9:15)蛇谷分岐―(9:40)734ピーク・ブナの巨木(10:15)―(10:30)830ピーク―(10:40)県境尾根―(12:10)藤原岳頂上―(12:30)西尾根・昼食(13:30)―(14:10)善右エ門谷―(14:15)本流合流―(14:20)三筋滝(14:35)―(15:00)蛇谷分岐―(15:52)茨川=(16:30)解散

 ハリマオさんの案内で、天狗のブナを見に行った。本日は、このブナも目的であったが、沢を歩き、尾根を登り、ピークを踏むという、バリエーションコースであった。誰にも会わなかったのは当然のような気がする。新緑が勢いを増し、若葉の陰が揺れる稜線歩きは実に快適であった。


 話には聞いていたが、こんな所に村があったとは驚きだ。霊仙の槫ケ畑の朽ち果てて廃墟となった民家を見ると、過疎の寂しさを感じる。ここも槫ケ畑と同じであるが、川が大きいので明るく感じられる。槫ケ畑は約40年前から人が住まなくなったと、カナヤのご主人が言っていたが、ここも同じころに置き去りにされたのだろう。詳しくはハリマオさんページを見よう。

 ハリマオさんのお店でリンさんと待ち合わせし、私の車で石槫峠を越えて、panaちゃん達の待つ鈴鹿キャンプ場へ予定通り到着した。ここで銚子ケ口組と別れ、茨川林道に入る。
焼尾ヘリポートで待ち合わせたとっちゃんが合流し、いざ茨川村へ。未舗装の林道は乗用車には過酷だが、昨日、ワックス洗車を済ませた4WDはかわいそうだった。しかし、こんな道を走るための車だからよしとしよう。

 約10キロほど走って茨川村に到着した。途中何台かの車があったが登山者のものではないようだ。このあたりの情景はハリマオさんのページが詳しいので省略するが、急成長を遂げる前の日本の山村の雰囲気が残っている。しかし、車でここまで入れるということと、真新しいコンクリートの橋を見ていると、廃村というイメージから少し遠ざかって見えてしまう。とにかく、山が深いことは確かである。

 登山靴を袋に入れ、長靴を履いてスタートする。川を何度も渡り返すので、長靴は必需品である。しばらくまとまった雨から遠ざかっているので、水量もたいしたことはなく、気持ちよく川を歩き進んだ。栃やサワグルミの大木が目を引くが、すべてを相手にする時間はない。本流であるが、くねくねと曲がっていて、磁石がないと向きが分からなくなる。蛇谷との合流点を確認し少し戻って登り口を確認し小休止となる。

 いよいよ登りはここからだ。長靴をデポし、P734に向かう尾根に取り付く。等高線が混み具合から、傾斜は想像にお任せする。ひと踏ん張りで尾根に乗った。やはりここにも目印赤テープがある。なかなかいい雰囲気の尾根だ。P734で小休止した後、いよいよ念願のブナとご対面である。痩せた尾根のど真ん中に3本が並んでいる。周りを見ても目立ったブナがないので、こんな狭いところに、3本が寄り添っているのは不思議な感じだ。しかし樹齢は300年は越えているだろう。

 日本のブナの分布を見ると、確かに鈴鹿のブナは分布域が狭い。生き残るための条件が限界すれすれの所にあるのかもしれない。とすれば、けなげに生きるブナ達が愛おしくなって当然だ。ブナに登る人、写真を撮る人、時間を忘れて贅沢な時間を過ごす。この時間の価値を果たして何人の人が理解できるか。

 

 二つのピークを過ぎると、県境縦走路と合流した。登りは簡単だが、下りにこの尾根を見つけるのは大変だろう。右手には孫太尾根のP965が見え隠れする。緑に中にヤマツツジの赤がやたらと目立つ。もう少し盛りを過ぎたようだが、花の付き方は見事である。今年はツツジ科は駄目だと思っていたが、ヤマツツジは例外のようだ。孫太尾根との合流点からは、一気の高度を200メートル稼がねばならない。下山には何度か使ったことがあるが、登りに使うのは初めてだ。いつも滑り降りるように降っていたが、登りには少し覚悟がいる。

 途中少し休みを入れ、panaちゃん持参のブドウとジェリーをいただく。これは絶品である。暑いときはやはり果物にかぎる。食べ物ならお任せのpanaちゃんのザックはドラえもんのポケットのようだ。元気を出して最後の急登をしのぎ、藤原岳の東の端に乗る。笹と灌木があるが見通しは極めて良好である。panaちゃんが足下のフタリシズカに興味を示す。静御前(ヒトリシズカ)の亡霊だのなんだのと話が弾む。

 人混みの山頂は通過して、西尾根を降り850mあたりの平坦地で、ゆっくりを昼食休憩をとる。プシュッと缶ビールをあけてゴクリとやると、これまた幸せなこと。ハリマオさんがキャベツを炒め、日新焼きそば始めた。panaちゃんのザックからは赤飯と野沢菜の漬け物が出てきた。花の時期は撮影が忙しくて、昼食時間を犠牲にしてきたが、やっと花の時期も終わりゆっくりと昼飯の時間が満喫できた。食後は、ハリマオさんのオカリナ演奏会でした。

 時間のたつのは早いもので、1時間で腰を上げて三筋滝をめざす。沢へ降りてしばらく進と三筋滝が行く手に立ちはだかった。水量もあり清涼感抜群である。現地調達のイワナの塩焼きに流しそうめんも悪くはないなと、清涼感が欲に転化するところが修行の足りなさを物語っている。皆さんそれぞれの思いでしばし滝を見上げる。

*滝の手前で、デジカメカメもって転んだ。やはりデジカメが壊れていた。4年間徹底的に使い込んだデジカメだけに愛着があるが、ここまでの命をあきらめる。

 三筋滝から長靴までの沢歩きは快適だ。水量がないので、何度も渡り返しがあったが、苦にはならなかった。しかし、ずっと長靴のrinさんをすこし羨ましく感じた。我々の帰りを待ちわびた長靴達も、最後のお努めとなり、無事に旧茨川村に戻ることができた。ハリマオさん、とっちゃん案内ありがとう。また今度もよろしくね。


 

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