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御池奥ノ平(鈴鹿) 2002.2.10 No.142

 

御池 奥ノ平(鈴鹿) 2002.2.10 No.142 new

 コグルミ谷登山口(9:30)−天ガ平(10:40)−天ガ平分岐−奥ノ平ピーク(13:23)
 幸助の池(1:50)−奥ノ平散策−奥ノ平ピーク(15:05)−天ガ平分岐
 天ガ平−コグルミ谷登山口(16:20?)

 これで3週続けて週末の天気が悪い。しかし、低気圧が御池に雪を運んできてくれたようだ。先週の竜ケ岳も雪はあったものの、笹が見えてだらしない姿をしていた。しかし、今日の御池はすばらしいの一言に尽きる。それに、楽しい山仲間たちと出会えて、満足!満足!

 朝起きると曇り空、これは予定通りだ。準備を済ませ積雪の期待できる御池に向かう。306号線に入り、鈴鹿の稜線の積雪状況が確認できる位置まで来ると、竜ケ岳から向こうは雪雲の中に隠れている。御在所から南は積雪がほとんど無く、入道の山頂の草原に少し白いものが見えるのみだ。鈴鹿山脈は南北に長いから、北と南では山の状況にかなりの差異が認められる。今日の目的は、御池の雪景色と楽しい山仲間との出合いだ。

 9時過ぎに冬季通行止め中の国道のゲートを通過する。先週は閉ざされていたので、駄目かと思っていたが、運よく開いていた。昨日入山した雪中キャンプ隊も歩かずにすんだことだろう。以前、鞍掛峠から坂本まで歩いた経験があるが、かなり距離があったように思う。アスファルトを登山靴で3時間近く歩いたので、足首を痛めてしまった。

 先月、雪のためにスタックした犬帰橋を通過し、コグルミ谷の駐車場に到着する。上の駐車場は満車だったので、車を下の大きな駐車場に置く。あれ、あのシルバーメタリックのレガシーはひょっとすると、おいけそまお様のではと思い、ナンバーを見るとやはり名古屋と書いてある。駐車位置が少し気になったが、たぶん奥ノ平あたりで会えるでしょう。山中泊装備の4人組の先を、コグルミ谷から入山する。今日のメインはテーブルランドの散策だが、天ガ平分岐から奥ノ平ピークへの直登も興味があった。昨夜の積雪はわからないが、雪はそれほどでもないだろう、標高差350メートルを1時間30分の予測を立てたが、浅はかであった。

 入山すると、雪がよく踏み固められていて滑りやすかったが、アイゼンを使うまでもない。天ガ平まではすこぶる快調で、予定通りに通過し天ガ平分岐に降りる。さて、今からだ。目印はない。もちろんトレースもない。山頂は雲の中で方角がわからない。磁石で奥ノ平ピークの方角を確認し登り始める。吹きだまりにさえ入り込まなければ、ペースを落とすことなく前進できる程度の積雪だ。緩やかな尾根を目印の高度を上げていく。しかし、標高差150メートルほど上がったあたりから、目に見えて積雪が多くなってきた。徐々に速度を落としながら、それでも目標のピークめがけてまっすぐに進む。お昼のサイレンが聞こえる。風がないので音がよく通る。11:30だ。雪がなければ、あと十数分で山頂だが、まだ標高差150メートルを残している。お腹がすいたのでパンを食べ、エネルギーの補給だ。

 12時を過ぎた頃になると、急斜面と腰まで入る積雪に阻まれ、直登ができなくなってきた。やむなく、ジグザグのコースをとる。斜めに進むと少しずつではあるが高度が稼げる。しかし思うように進まない。時間が気になりだした。下山にかかる時間を引き算して、折り返し時間を頭にインプットする。徐々に前が開けてきて、山頂が近いことはわかるが、なにせ前進ができない。油断すると腰まではまりこんで抜け出すのがやっとだ。

 標高差150メートルを、何とか2時間の強烈なトレースで征することができた。奥ノ平で記念撮影だ。たくさんの足跡がある。これはきっと雪中キャンプ隊のものだろう。こんな時にこんな所にくる連中の気がしれんな、と自分にも語りかける。通常ルートならもうすこし早く到着できたと思うが、直登には満足できたし、この雪景色は絶品である。視界がほとんど効かないが、磁石で方向を定め丘を降ると、わいわいがやがやと人の声が聞こえてくる。どこかで聞いたような声だ。随分と盛り上がっていそうだ。近づいてみると霧の中から色とりどりのテントが浮かび上がってきた。予定通り合流できた。前日に山行プランをヤマボウシさんから聞いていたので、たぶん今頃は幸助の池だろうと思っていたが、どんぴしゃりだった。

 特性のテーブルを借りて遅い昼食にかかる。本当にみなさん楽しそうだ。ゆっくりとしたいところだが、トレースに予定外の時間を消費したので、テーブルランド散策の時間がない。そこへ、おいけそまお様が登場なさった。まるで、ドラマでも見ているようだ。今からめざす奥ノ平の雪原の足跡がまた増えてしまったではないか。荷物の撤収が終わり、皆さんが下山にかかる頃に、散策に出発した。足跡だらけだと文句を言いつつも、樹氷の森を駆け抜ける風が霧を流し、光景が刻一刻と変化する様に感激するばかりだ。霧の間隙を縫って差し込む日の光に、雪原が眩しいほど輝く週間がシャッターチャンスか?構図など意識する余裕もなくシャッターをきる。こんな光景、今度いつ会えるかわからない。

 もっと時間が欲しかったが、タイムリミットだ。帰路に就く。登りに苦戦した、直登ルートも下山はすこぶる快適だ。雪がクッションになり、峠をめざして滑るように降りる。峠で一息入れて、登山口でみなさんに追いついた。ご苦労様でした。

 

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