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御池岳  2001.10.06 No.129

 

御池岳 2001.10.6 No.129

 コグルミ谷(9:20)−ボタン岩−ボタンブチ−鈴北岳−タテ谷−コグルミ登口(15:40)

 連休の初日は秋晴れだ。コグルミ谷を駆け上がる涼風に秋本番を実感。しかし、今年はよく御池岳に通っている。この山には、人の心を引きつけるものが、それぞれの季節に準備されているようだ。風と共に笹原を駆け抜け、満足のいく一日になった。.

 国道306号線は相変わらずの通行止め。生コン車が何台も入ってきていて、道路の修復工事が行われているのだろう。ゲートが開いているので助かる。峠まで登ってないのでわからないが、コグルミ谷登山口手前のPはすでに満車であったので、ひとつ下のPに駐車する。崩れた土砂が積まれていたが、すでに撤去されている。すでに3台とまっていた。


マユミ(もうすぐはじけそう)

 気候も登山には最適となってきた。長命水まで30分で到着。なかなかのタイムだ。ここで小休止とタンクへの給水をすませ、15分でカタクリ峠に出る。今日のように目的がはっきりしていると、見慣れた登山道で新たな発見を期待することもなく、先を急いでしまう。人出の方はどうだろうか?平均すると、30分歩いてひと組と出会う感じだ。隣の藤原ほどのにぎわいはないが、連休の初日ということもあり、隠れたスポットなのだろうか。


ジンジソウ

 丸山への急登途中の岩場でジンジソウが風に揺れていた。全山を支配していたカワチブシも枯れ果て、ヤマシロギクを残すのみとなっている。花がなくなるとなんだか寂しいが、この前になかった花を見つけるとなんだか嬉しくなる。しかし、もう少しすると山は紅葉に彩られ、しばらくの間は華やぐだろう。

 丸山をパスし、ボタンブチへ向かう。このあたりのオオイタヤメイゲツ林とカレンフェルトの織りなす雰囲気はふと立ち止まりたくなるほどである。ここのオオイタヤメイゲツは「日本の自然100選」(朝日新聞社)にも選ばれているほどだ。しかし、今年は虫害がひどく、紅葉は望めそうもない。もうすでに紅葉の終わった感が漂う。


丸山付近のオオイタヤメイゲツ林

 ここを過ぎると笹の海に入る。ボタンブチを通過し、幸介の池に到着。断崖近くによくこのような池ができたものである。ここも虫害のためかほとんど落葉していて池が明るい。


幸介の池

 また少し笹をこいで、本日の目的のボタン岩に到着。誰もいない。石灰岩がゴツゴツしていて居場所の選定に手間取ったが、T字尾根を見下ろせるところで、のんびりと昼食にありつく。本日は中華料理(カップ麺のこと)だ。岩場にはリュウノウギクが咲いている。明日は霊仙にリュウノウギクを見に行くので、撮影もパスした。カメラを持つと義務があるように撮影するが、本日は気楽に構えて観光記念撮影に終始する。


風池のカジカエデ

 ボタンブチまで戻り、ここからは一直線に鈴北をめざす。人があまりはいっていないので、よく動物とである。姿を見せず、笹を揺らしながら猛烈な速度で遠ざかっていく。なんだろうな?イノシシ?アライグマ?タヌキ?3回も出会ったが、姿は見れずに残念だ。それから2頭の鹿とも出会った。こちらもひとりなので、鹿の方もあまり驚かず、悠々と落葉樹林の中を駈けていた。先月初めの見つけた、たわわに実をつけたサルナシに少しは期待があったが、実は全く付いていなかった。サルナシだから猿が食べたのだろうか。


ゴマギ

 ゴマギの実が赤々と実っている。秋だね。登山道に比べ近道になったかどうかはわからないが、池に寄り道しながら40分ほどで池の平に飛び出した。リンドウが咲いている。この花が咲くと、秋も深まってきた証拠だ。


池の平のリンドウ


鈴北のアキノキリンソウ

 鈴北でアキノキリンソウを見て、久しぶりでタテ谷を下ることにする。冬場はよく利用するが、この時期はまじめて下山に使うので、様子がわからない。山頂から少し下ったところから、右の笹の中を入り、沢沿いに降りている。沢と行っても最初は溝程度の大きさで、しかも掘割り状になった居るので歩きにくいし、目印もはっきりしていない。しかし、一本道なので迷わないだろう。カレンフェルトが散在し植林帯に入るまでは感じのよい落葉樹林が続く。これを過ぎると、急降下が始まる。花も終わりに近づいたミカエリソウが目につく。花が綺麗だからもっと明るいところに咲けばいいのに。下の方では猿がけたたましく吠えながら大げんかしているようだ。夫婦げんかと猿の喧嘩には、巻き込まれたくないな。しばらく収まるのを待っていたが、終わりそうにもないので、そのまま下る。人の気配を感じたか、しばらく収まるが、今度は上の方で喧嘩がはじまる。猿の喧嘩を気にしているうちに、コグルミ谷に出た。あまりいい道ではない。冬場、雪に覆われると登りに使うにはいい道だ。約1時間で登山口に戻る。無事帰還。めでたし。