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釈迦ケ岳(鈴鹿) 2001.9.8 No.126 11:13〜17:00 new

朝明ヒュッテ−庵座の滝−釈迦が岳−猫岳−羽鳥峰−朝明ヒュッテ(歩行時間5時間)

 朝夕は秋を感じる季節になってきました。朝起きて空を見上がるとスカイブルー。行かねばなるまい。こうして無意識のうちに体が反応し、瞬間に登山計画ができあがるところが怖い気がする。ということで、11時に朝明ヒュッテ前の駐車場に到着し、遅い出発となった。観光協会の人に話を聞くと、登山者は羽鳥峰方面と庵座方面が半々だそうだ。車は20台くらいは入っていただろうか。準備を整え、まずは庵座の滝をめざす。


ヤマジノホトトギス

 夏休みには子供たちで賑わったであろうキャンプ場は実に閑散としている。バンガロウの間を抜け登山道に入る。この前に来たのはいつだったか、思い出そうとするがなかなか出てこない。後で自分のHPで確かめないと分からないとは情けない。道端には季節はずれのネジバナが咲いていた。特徴ある姿で、小さくて可愛いが、臭いだけはいただけない。まだ、先週のカリガネソウの方がましだ。などと考えながら、何度も渓流を渡り返しながら進む。昨日の雨で増水しているので、渡りにくい。まだまだ足にバネのある頃は、牛若丸のように岩を飛んでいたのに、今は慎重にならざるを得ない。飛んだつもりでも飛んでないから、はまりそうになる。しかし、体が重くてたまらない。あまり間隔が開いてないから、足腰がなまってないはずだが、足に力が入らない。富山の出張で、3軒はしごのたたりかと、岩に手をつき反省する。遅くとも6時間でたどり着けるだろうから、ちんたら行くことにする。


 ここが問題の庵座の滝だ。山と渓谷9月号の読者紀行「虹の輪の中でアカンベー」のことが気になる。滝の右側を巻くのは普通の登山道だろう。アイゼンをつけるポイントはどこだ?わからない。鹿の死骸がある。腐敗臭がたまらない。猿も木から落ちるくらいだから、鹿も谷を落ちたんだろうか。だから、人が滑落するのも当然かと、妙に納得してしまう。あーーー、シマヘビが岩の上をこちらにすっ飛んできた。花はもちろん、生き物は全部好きだが、こいつだけは嫌いだ。マムシも嫌いだが、ヤマカガシは大嫌いだ。そのためにスティックを持ってきたが、突然のことで役に立たなかった。しかし、このあたりはヤマジノホトトギスがまとまって咲いている。痩せた尾根に咲いているのと比べるとよく育っている。花らしい花はこれだけだ。


テンニンソウ

 滝の上に出て、アカンベーをしようにも誰もいない。誰にも会わない。春や秋はたくさん人が入るのに、この時期に来る人はあまり居ない。たくさん汗を流したのに、調子がでない。やはり気温が高い。三段の滝を巻くところで男性のソロと出会う。ひとこと挨拶しただけだが、余韻が残る。しかし、登り初めてからずっと瀬音がたえない。気温が高いが、涼を感じる渓流の音にごまかされているみたいだ。上半身はアルコールの混ざった汗でずぶ濡れだ。今日はきつい。


三段の滝

この先の鉄製の砂防堤を越えると、登りもいったん緩やかになる。最後の直登に備えてペースダウンして息きを整えるのもいいだろう。ここで家族3人と出会う。このコースを下りに使ったのか。ここの急降下は慎重になっただろうな。さー、ここからがクライマックスだ。沢を離れ一気に松尾尾根の頭まで登る。また汗が噴き出してくる。心臓の方も大忙しだ。この暑さではしばらく進むと立ち止まってしまう。灌木帯を抜けると大陰のガレが広がる。天気がいい。ススキが風に揺れて秋の様相だが、この暑さはなんだろう。風は涼しいが湿度が高そうだ。しかしここからの眺めは格別だ。始めてきたときの感動が思い出される。灌木帯に入り、最後の登りだ。勾配がますますきつくなってくる。気の根っこにつかまりながらしばらく進と松尾尾根の頭だ。


大陰のガレ

 撮影と休憩を入れて、ここまで3時間の行程だった。この暑さではタイムが出せない。ガイドブックでは2時間40分の行程だから、平均的なタイムだろうか。以前、季候のいいときに、2時間を切ったことがあるが、もう駄目でしょう。午後2時である。誰もいない。下山に2時間半かかるから、2時半には出たいところである。ビールとおにぎり1個で満足してしまう。


シロヤシオ

 猫岳に向かう、雑木林に入るとシロヤシオが目につく。マツハダと言われるように、樹皮が松のようだから他と区別しやすい。春は見事だろうな。5月の中旬か。その季節にこのあたりを歩いたことないから分からないが、御在所のアカヤシオが終わると、このあたりはシロヤシオで満開になるのだろうな。来年は長浜の村瀬先生を誘って是非とも来てみようと思う。
 猫岳に到着。先ほどすれ違ったアベックが松尾尾根の頭に到着したようだ。さっきすれ違ったおじさんがいると言っているのだろう。見慣れた眺めだが、今年の紅葉はここにしようかとも思う。御池岳のオオイタヤメイゲツの虫害はひどかったが、このあたりは大丈夫そうだ。大きな台風でもこない限り、紅葉が楽しめそうだ。今日はあまり人に出会わなかったが、その季節になるときっとたくさん押し掛けてくるだろうか。


ガガイモ

 羽鳥峰が近づいてくると今度はブナが目につく。大木はないが、このあたりには少しはあるようだ。あまり時間にゆとりがないので、急いで下る。羽鳥峰分岐から林道に降りる。昨日の雨で林道が川のようだ。石がゴロゴロして歩きにくい。旧道との分岐手前に、アケボノソウの群落がある。昨年と比べると少し増えてきているようだ。今日はこれで花も終わりかと思いきや、ガガイモと出会えた。珍しい花ではないが、甘ったるい香りで印象に残る。御池山頂で見かけたイケマと同じ仲間で、ガガイモ科だ。他ににツルガシワなども多い。

17時に予定通り駐車場に戻る。自販機のコカコーラがうまい。

出会った花:センニンソウ、テンニンソウ、ヤマジノホトトギス、アケボノソオウ、ガガイモ